移動オービスで狭い道にも速度監視の目 死亡事故多発、導入広がる

大分県警が導入した移動式オービス。持ち運びが可能で、取り締まりポイントを変更できる
大分県警が導入した移動式オービス。持ち運びが可能で、取り締まりポイントを変更できる
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 交通量の多い生活道路での事故を防ごうと、全国の警察が移動式の速度違反取り締まり装置(オービス)の導入を進めている。道幅が狭く取り締まりが難しかった場所でも設置でき、大分など13都県で運用が始まっている。九州では本年度中に福岡、佐賀、宮崎の3県警が導入する。“出没”場所が毎日変わり、予測不能な移動式オービスが、生活道路でのスピード違反に目を光らせる。

 従来の固定式オービスは幹線道路の道路標識の高さに設置し、同乗者のプライバシーへの配慮などから予告看板で取り締まり区間を知らせている。警察官が直接取り締まる「ねずみ捕り」は速度を測る機械に撮影機能がなく、違反車を止めるために片側2車線以上か誘導スペースがある道路に限られていた。事実上、生活道路は取り締まりの“抜け道”になっていた。

 ただ、生活道路での悲惨な事故は後を絶たない。警察庁によると、生活道路の目安とされる道幅5・5メートル未満の死亡事故は、2017年に616件(前年比29件増)発生。京都府亀岡市では12年、生活道路の通学路を登校中だった児童らの列に車が突っ込んで10人が死傷した。

 移動式は大人の背丈ほどの大きさで、三脚などの上にカメラを搭載する。レーザーで車の速度を自動測定し、制限速度を超えるとフラッシュが光り運転手の顔やナンバーを撮影。後日、呼び出して交通切符を交付する。導入に合わせてホームページや報道で周知することから、予告看板は必要ないという。

 15年度に埼玉、岐阜の両県警が導入したのを皮切りに、今年3月現在で13都県に拡大。九州では大分が17年6月に1台採用し、今年9月末までに44回の取り締まりで27件摘発した。福岡は年内に2台、佐賀、宮崎は本年度中に1台ずつ導入する予定だ。

 福岡県警は導入に向けて、危険性の高い生活道路の抽出作業をしている。県警交通指導課の中村英人次席は「固定式では通過する際に減速して取り締まりを免れられたが、移動式は目立たず気付かれにくい。取り締まり効果は高く、事故防止につながる」と話す。

=2018/10/08付 西日本新聞朝刊=

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