なぜトラと同じ空間に 「原因分からない」 園長「仕事熱心で優秀な職員」死亡の古庄さん

鹿児島市平川動物公園のツイッターで紹介されているホワイトタイガー
鹿児島市平川動物公園のツイッターで紹介されているホワイトタイガー
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普段通り開園したものの、立ち入り禁止となっているホワイトタイガーの展示場付近=9日午前、鹿児島市平川町の同市平川動物公園
普段通り開園したものの、立ち入り禁止となっているホワイトタイガーの展示場付近=9日午前、鹿児島市平川町の同市平川動物公園
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 「なぜトラと同じ空間にいたのか分からないとしか言いようがない。優秀な職員を失い大変残念」。1972年の開園以来、例のなかった死亡事故に、鹿児島市平川動物公園の石堂昭憲園長は沈痛な面持ちで「原因は不明」と繰り返した。

 同園のホワイトタイガーは4頭で、飼育室で1頭ずつ展示。亡くなった飼育員の古庄晃さん(40)は、ホワイトタイガーの寝室への収容や閉園時の清掃などの作業を普段から1人で担当していた。9日に鹿児島市役所で記者会見した石堂園長は「飼育室に猛獣と一緒にいる状況はあり得ない」と説明。目撃者や悲鳴を聞いた人はいないという。

 ホワイトタイガーを飼育している福岡県大牟田市動物園によると、2011年に飼育員がライオンにかまれてけがをした事故を受け、獣舎の清掃などは必ず2人一組で作業するよう徹底している。猛獣の飼育に関するマニュアルやルールなどの規定はなく、各園でやり方は異なるという。

 古庄さんは福岡県行橋市出身。熊本県阿蘇市の動物園「阿蘇カドリー・ドミニオン」で05年から15年まで勤務し、クマの飼育などを担当していた。一緒に働いたという職員は「クマのことで分からないことがあったら古庄さんに聞けと言われるぐらい頼りにされ、動物好きな方だった。こういったことになり言葉がない」と話した。16年4月に平川動物公園に転職し、当初から猛獣を担当。関係者によると「大きく明るい声で子どもたちに動物の説明をするなど、仕事熱心で信頼できる職員だった」という。

 平川動物公園は9日も開園したが、現場周辺一帯は「立入禁止」と書かれた柵で規制されていた。家族連れで来園した宮崎市の自営業川畑幸弘さん(39)は「ニュースで事故を知ってびっくりした。ホワイトタイガーを見るのを楽しみにしていたので残念だが仕方がない」と不安な表情だった。

=2018/10/09付 西日本新聞夕刊=

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