「宮崎いのちの電話」高宮真樹事務局長に聞く 19年9月開設目指す

「宮崎いのちの電話」の事務局長に就任した高宮病院院長の高宮真樹氏
「宮崎いのちの電話」の事務局長に就任した高宮病院院長の高宮真樹氏
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 自殺防止に取り組む相談窓口として来年9月の開設を目指す「宮崎いのちの電話」(理事長・池ノ上克宮崎大学長)が9日に設立された。深夜、早朝帯の相談窓口がない宮崎県内で、他団体と連携して24時間の相談体制実現を目指す。設立を最初に働きかけ、事務局長に就任した精神科医師で高宮病院院長の高宮真樹さんに現在の状況や今後の取り組みについて聞いた。

 ―いのちの電話とは?

 1953年に英国で始まり、各国に広まった電話相談機関。日本では71年に東京に誕生し、現在は全国に49のセンターがある。24時間年中無休で、研修を受けた相談員が、苦しむ人々に生きる喜びを見いだせるよう手助けをする。九州では、宮崎にだけなかった。

 ―宮崎の組織設立のきっかけは?

 昨年5月、全国のある会合で、他県の精神科医師から宮崎の自殺死亡率の高さといのちの電話組織がないことを指摘され、宮崎の相談窓口を調べた。夜間に取り組む民間団体はあるものの、24時間体制の窓口はなく、「これはまずい。県民にも申し訳ない」と思った。精神科医でありながら現状を把握できなかったことを反省し、組織立ち上げに取り組むことにした。

 ―設立までの経緯は?

 会長をしている県精神保健福祉連絡協議会で、県知事に相談体制充実の要望書を出し、県内の各医療福祉団体にも設立を呼び掛けたた。宮崎大の池ノ上学長が賛同してくださったおかげで、幅広い団体の参加を得られた。県医師会や歯科医師会、薬剤師会、看護協会、弁護士会、司法書士会、キリスト教や仏教団体など17団体となった。

 ―宮崎は自殺死亡率が高いとされる。要因は?

 経済的な困窮や離婚率の高さ、アルコール摂取量の多さが指摘されている。離婚して酒を飲み、経済的に苦しい中で絶望して、相談相手もいない状況は最悪だ。特に不安になりやすい深夜、早朝に相談できる仕組みが大切になる。相談して解答が得られる訳ではないが、誰かが聞いてくれるという安心感は、自殺抑制に役立つと思う。

 ―SNSによる相談を受ける県もあるようだが?

 必要性は感じているが、まずは、深夜、早朝の空白帯の解消に取り組みたい。

 ―どういう体制か?

 初年度は、深夜、早朝帯の9時間をカバーできる90人のボランティア確保に務めたい。1人が月に2、3回担当する計算だ。来年1月から相談ボランティアの研修を始める。県内から幅広く参加してもらうため交通費を支給する方針。専門的な知識は必要なく、意欲のある方に応募してほしい。早期に24時間対応できる体制にしたい。

   ◇   ◇

 相談ボランティアは20歳以上が対象。作文、面接の審査を経て、来年1~9月に養成講座(計20回、受講料2万円)を実施する。希望者を12月7日まで募集中。宮崎いのちの電話事務局=0985(33)9557。


=2018/10/11 西日本新聞=

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