新田原・築城の「米軍基地化」懸念 沖縄負担軽減には理解も 米軍用弾薬庫計画

27日に始まる在日米軍再編に伴う日米共同訓練を前に、航空自衛隊新田原基地に着陸した米軍輸送機=24日午後1時すぎ、宮崎県新富町
27日に始まる在日米軍再編に伴う日米共同訓練を前に、航空自衛隊新田原基地に着陸した米軍輸送機=24日午後1時すぎ、宮崎県新富町
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 沖縄の基地負担軽減策の一つ、米軍普天間飛行場(沖縄県宜野湾市)返還に伴い、緊急時に米軍機を受け入れる航空自衛隊築城基地(福岡県築上町など)と新田原基地(宮崎県新富町)に弾薬庫などの施設を整備する具体的な計画が正式に明らかになった24日、両基地周辺の自治体や住民からは、沖縄の「痛み」軽減に理解を示す声と、将来の「米軍基地化」を懸念する声が交錯した。

 この日、九州防衛局(福岡市)は両基地がある福岡、宮崎両県の関係自治体に計画の概要を説明した。米軍機の受け入れ施設の整備に日米両政府が合意して既に12年。築城基地がある築上町の新川久三町長は、受け入れざるを得ないとの考えを示し、施設が整備されれば総務省からの基地交付金が増えるため「整備は町財政に役立つ」とメリットを強調した。ただ、築城基地では滑走路が約300メートル延長され、宿舎なども整備されるため、米軍の常駐化を懸念する声は根強い。新川町長は「あくまで緊急時の利用」と否定した。

 弾薬庫が計画されている福岡県行橋市の田中純市長は九州防衛局から説明を受けた際、基地の配置図は見せられたが、弾薬庫のことは話題に上がらなかった。田中市長は「基地内の配置のことだから自分が関与する立場にない」と話した。

 同市の徳永克子市議(共産)は「近くに工業団地がある。何かあれば大惨事になりかねない」。住民団体「平和といのちをみつめる会」の渡辺ひろ子代表(70)は「日米合意から12年もの間、国や自治体の説明が不足していたことに怒りを覚える」と訴えた。

 一方、新田原基地を抱える新富町の小嶋崇嗣町長は「米軍基地化しないことを強く求めた。丁寧な対応と周辺住民への十分な説明を行ってほしい」。元航空自衛官でもある同町の桜井盛生議長(76)は「有事の備えや沖縄の負担軽減のため、機能の一部受け入れは理解できる」とした上で「唐突感がある。もっと早く地元に説明できたのではないか」といら立ちを見せた。

 基地周辺住民が国に戦闘機の飛行差し止めなどを求めている新田原基地爆音訴訟原告団代表の農業黒木義博さん(72)は「米軍のミサイルが保管されるのかどうかさえ知らされていない。米軍の基地使用がなし崩し的になるのではないか」と不安視する。

 沖縄の「痛み」を軽減するための計画だが、受け入れ先には大きな波紋が広がっている。

=2018/10/25付 西日本新聞朝刊=

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