キューバ大使の宿泊拒否 ヒルトン福岡、市が行政指導

 米ホテル大手ヒルトングループの「ヒルトン福岡シーホーク」(福岡市中央区)が10月、いったん予約を受けた駐日キューバ大使の宿泊を、当日になって拒否していたことが分かった。米国の経済制裁対象国の要人であることが理由で、ヒルトン側は「米国の法令に伴う措置」と説明したが、特別な理由なく宿泊拒否することを禁止する旅館業法に違反しているとして、福岡市は行政指導を行った。

 キューバ大使館は9月、東京の旅行会社を通じてヒルトン福岡の宿泊を予約。旅行会社によると、カルロス・ペレイラ大使や大使館職員が利用することを伝え、歓迎する返信もあったという。大使は4月にも同ホテルに宿泊していた。

 ところが宿泊当日の10月2日、ホテル側から旅行会社側に「泊められない」と電話があり、チェックイン前にキャンセルされた。11日には改めて「キューバ政府を代表する方の宿泊は受けることができない」とする文書も届いた。

 大使らは、デスパイネ選手などプロ野球の福岡ソフトバンクホークスに在籍する自国の選手に会うために福岡を訪れていたという。

 キューバ大使館は「日本で宿泊を拒否されたことは初めて。米の経済制裁を理由に宿泊を拒否することは、日本の法律や主権を侵害している」と非難。外務省に抗議した。

 旅館業法では、感染症にかかっている場合や違法行為を行う恐れがある場合以外は、宿泊を拒んではならないと定めている。

 同法を所管する厚生労働省は外務省からの連絡を受け、国籍を理由にした宿泊拒否は違法として、営業許可を出している福岡市に事実確認を要求。市は聞き取り調査で宿泊拒否を把握、改善の行政指導を行った。

 ヒルトン側の広報担当者は「米国企業として、当社が運営するホテルでは、同様の措置を取っている」と説明。4月との対応の違いに関し「担当者が見過ごしていた。気付いて連絡するのが当日になり、申し訳ない」と話した。今後については「関係当局や社内で協議したい」としている。

=2018/11/15付 西日本新聞朝刊=

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