あり得ない影、どこから? 「krank marcello」展 福岡市・イムズ 1月14日まで

シカは1頭なのに2頭の影が現れる。子は巣立っても、いつも親の影が寄り添う?
シカは1頭なのに2頭の影が現れる。子は巣立っても、いつも親の影が寄り添う?
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ブランコには誰も座っていないのに、人形の影が一瞬浮かび上がる
ブランコには誰も座っていないのに、人形の影が一瞬浮かび上がる
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 光量を落とした会場に教会音楽が流れ、スポットライトが当たる家具や雑貨に、あり得ない影が浮かび上がる。なぜ、どこから、どうして? 福岡市・天神のイムズ8階、三菱地所アルティアムで開催中の「krank marcello」展は、どこか不思議な空間を醸し出す。美術ギャラリーでは異例の写真撮り放題のためネット投稿が相次ぎ、話題を広げている。

 同市中央区警固の家具店「krank」と雑貨・アパレル店「marcello」の展覧会というのも珍しい。展示は25点前後。サブタイトルでもある「ぼくらはいつのまにか 虹にさわれないことをおぼえていた」という作品は、動物とブランコの影の中に、いないはずの人形の影が浮かび上がる。1頭のシカの置物に2方向から光が当たり、寄り添うような親と子の影になる作品も。光と影の競演に鑑賞者の視線はくぎ付けになる。

 両店舗を営むのは藤井健一郎さん(45)と輝彦さん(44)兄弟。「もともとアートに興味があった。光と影の展示で感性に訴えたい」と取り組んできた。光と影の仕掛けには「分かってしまえば、ついニヤッとする小さな幸福感がある。ただそんな幸せすら、戦争や貧困で手にできない国があることも感じてほしい」との思いも込める。

 展覧会は来年1月14日まで(大みそかと元日を除く)。西日本新聞社など主催。入場料は一般400円、学生300円、高校生以下無料。アルティアム=092(733)2050。

=2018/12/28付 西日本新聞夕刊=

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