「子ども食堂」高齢者、保護者の居場所にも 役割多様化、孤立防ぐ施設に 九州338カ所に広がる

 貧困対策から出発した子ども食堂が九州でさらに増えている。西日本新聞が九州7県の社会福祉協議会や各県の食堂をつなぐネットワークに取材したところ、7県に少なくとも計338の食堂があることが分かった。調査主体や手法が異なるものの、子ども食堂の運営者らでつくる「こども食堂安心・安全向上委員会」が昨年春に発表した211カ所から1・6倍に増加。その役割も多様化し、母親や高齢者らの居場所になるなど、社会の中での孤立を防ぐ施設にもなっている。

 7県の内訳は、福岡149、佐賀21、長崎27、熊本32、大分48、宮崎20、鹿児島41。

 西日本新聞は昨年10~12月、7県の食堂に運営状況や課題について尋ねるアンケートを実施。67の食堂運営者から回答を得た。

 アンケートによると、1回の開催の子どもの平均参加人数は27・9人。中には150人集まる食堂もあった。大半の食堂が参加者を制限しておらず、高齢者、障害者、子育てに向き合う保護者が参加しており、地域交流や人と人をつなぐ場として機能。運営者からは「子どもの不登校の改善につながっている」「家庭の不和を緩和している」など、手応えの声が出た。

 子ども食堂を巡っては、地域や行政などと連携し、子どもの受け入れや食材の融通といった協力態勢を深めようと、食堂同士をつなぐネットワークが各地で発足中。アンケートでは、52の食堂がネットワークに参加していた。「情報交換の場になっている」「共同で研修を行っている」とメリットを挙げる声の一方で、「食堂のスタイルが違い、連携できていない」という意見もあった。

 食堂運営の課題に対する自由記述形式の問いには、「地域との連携ができず、必要な情報が届いていない」「来てほしい子どもに伝わっているのか疑問」といった広報周知への不安があった。「スタッフの負担に偏りがある」「1人で運営し、つながりができない」「地域に食堂のことを理解してもらえない」「助成金を受けられず、自腹でやっている」など資金面や人材の確保についての意見が目立った。

=2019/01/03付 西日本新聞朝刊=

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