福岡市、障害者職員の支援役採用 「ジョブコーチ」2月にも非常勤で 雇用増へ環境改善

 福岡市は2月にも主に知的・精神障害者の職員を専門的に支援する「ジョブコーチ」(職場適応援助者)を非常勤職員として初めて採用する。仕事上の悩み相談に応じたり、配慮すべき点を上司や同僚に伝えたりする役割を担う。自治体がジョブコーチを採用するのは全国で珍しく、厚生労働省によると国の機関にも前例はないという。専門家は「職場と障害者をつなぐ橋渡し役として活躍が期待できる」と評価する。

 昨年夏以降、全国の官公庁などで障害者雇用の水増し問題が発覚。福岡市では水増しはなかったが、さらなる雇用の拡大が課題となる中、ジョブコーチの助言で働きやすい職場環境を整え、雇用増につなげる。

 採用するジョブコーチは、障害者への職業相談といった就労支援業務の経験を持つ1人を予定。採用後は障害のある職員が働く部署を巡回し、作業の進め方について本人に助言したり、新たな仕事をさせる提案を上司にしたり、同僚に対して接し方のポイントを伝えたりする。職場環境の改善に専門的に当たってもらうことにより、市は「障害職員の人数だけでなく、長く働けるという質の面も向上させたい」という。

 市はすでに、原則週30時間勤務し、文書整理やデータ入力に当たる障害者を非常勤で雇う「チャレンジ雇用」を導入している。現在、主に知的、精神障害の76人が市役所や区役所などの60カ所以上の部署で働いている。ジョブコーチが支援するのは主にこの職員を対象とする。4月からはチャレンジ雇用の年限を最大3年から5年に延ばし、再受験も可能としたため、より定着しやすい職場に向けた周囲の支援も重要になる。

 埼玉県立大の朝日雅也教授(障害者福祉)は「同僚や上司に、障害者の力を発揮させるためのノウハウを伝え、官公庁でのジョブコーチによる支援モデルとなってほしい」と期待を述べた。

 福岡市は2018年6月現在、市教育委員会の教員も合わせた約1万6千人の職員のうち、障害者雇用促進法に基づく方法で2・55%の障害者を雇っていると算定される。達成が義務付けられる法定雇用率(2・5%)をわずかに上回っている。

    ◇      ◇

 ジョブコーチ 障害者が一般の職場に適応し定着できるように、本人やその家族、事業主に対してきめ細かな支援をする専門職。障害者に仕事の仕方を分かりやすく教え、職場内のコミュニケーションや生活リズムの構築を手助けする。事業主には適切な配慮のための助言、仕事内容や指導法の改善の提案を行う。全国にある地域障害者職業センターから企業などに派遣するほか、高齢・障害・求職者雇用支援機構などが行う養成研修を修了し、社会福祉法人や企業に所属し、働く人もいる。

=2019/01/06付 西日本新聞朝刊=

西日本新聞のイチオシ [PR]

西日本新聞のイチオシ [PR]