姿消す「滑らない砂」…発がん性指摘で配布中止相次ぐ 「過剰反応では」の声も

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 受験シーズンが本格化する中、鉄道各社が合格祈願グッズとして配布し、受験生にも好評だった「滑らない砂」が姿を消している。砂に発がん性物質「結晶質シリカ」が含まれていると指摘され、JR九州や熊本市交通局などが相次いで配布を取りやめた。健康上の問題はなく「過剰反応では」との見方もあるが、一部の社は別のグッズを用意して受験生を応援する。

 「滑らない砂」は、列車が雨天時や坂道を走行する際、車輪が空転しないようにするためレールに散布。「試験で滑らない」という験担ぎで、数年前から受験シーズンに各地の駅などで配られるようになった。

 2017年、JR西日本金沢支社(金沢市)が配っていた「滑らない砂」の原料から結晶質シリカを検出。同支社は昨年初めに急きょ、配布を中止した。九州4県の9駅で配っていたJR九州も同調し、今シーズンの配布を断念した。1週間で千個がなくなる人気ぶりだったという熊本市交通局も「受験生を不安にさせるわけにはいかない」として、今年から配布を取りやめている。

 ただ、結晶質シリカは自然界に存在し「お守り程度の微量ならば健康上の問題はない」(独立行政法人労働安全衛生総合研究所)。炭鉱電車のレールに散布する砂を使ったグッズ「スベラナヰス(すべらないす)」=写真=にも含まれている可能性があるとして、販売元の福岡県大牟田市などの協議会は生産を取りやめたが、在庫分は引き続き店頭に並べるという。

 昨年まで「滑らない砂」を受験生に配っていたJR長崎駅では、「置くとパス(合格)」と同音の英語「オクトパス」に掛けてタコのキャラクターを描いたカードを受験生に配布。鹿児島市交通局も降車口の滑り止めシートを使ったグッズを配る。

=2019/01/11付 西日本新聞朝刊=

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