聴覚障害バスケ、福岡で奮闘中 エンペラーズ「王国の一翼担う」

練習に集まった福岡エンペラーズの選手やスタッフたち。親指、人さし指、小指を立てたサインは国際手話で「アイラブユー」の意味=13日午前、福岡市東区
練習に集まった福岡エンペラーズの選手やスタッフたち。親指、人さし指、小指を立てたサインは国際手話で「アイラブユー」の意味=13日午前、福岡市東区
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 全国区の強豪高校やプロチームがあり「バスケ王国」と称される福岡県に、聴覚障害者によるデフバスケットボールで国内屈指のクラブチームがある。主に県内の男子選手とスタッフ計20人でつくる「福岡エンペラーズ」。アジア大会に日本代表として過去3度出場した。選手たちは「王国の一翼を担って、競技を盛り上げたい」とさらなる飛躍を誓い活動を続ける。

 デフとは「聴覚障害の」という意味の英語。日本デフバスケットボール協会が把握している九州の一般男子クラブチームはエンペラーズのみ。福岡高等聴覚特別支援学校(福岡市早良区)の卒業生を中心に2000年に創設した。現在、10代~40代の選手が福岡市などの体育館で週1、2回、汗を流す。聴覚障害者の五輪「デフリンピック」の出場経験者も所属する。

 デフバスケのルールは健聴者による競技と同じだが、ボールがコートの外に出るなどしてブザーが鳴るのと同時に、コート隅の審判員が旗を振ったり、ゴールのボードに付いたランプが光ったりして知らせる。

 選手やベンチの意思疎通は工夫のしどころ。普段から、名前の最初の1文字などに由来する仲間内の「手話ネーム」で呼び合う。また、試合が止まるたび、ベンチの山崎敬祐監督(38)が事前に決めた手のサインで素早く攻撃や守備の形を指示。勝利につなげる。

 国内大会を勝ち抜き3回目の出場を果たした昨年11月のアジア太平洋クラブカップ(開催地・オーストラリア)。背の高い外国人選手に苦しみつつニュージーランドのチームに1勝し、7チーム中4位だった。

 チーム内の絆は強く、メンバー同士の誕生日をサプライズで祝い合うのは当たり前。遠征先に移動中の列車内でも手話で“しゃべりっぱなし”で活気があふれる。チーム創設時から所属する穂満(ほまん)圭太選手(35)=福岡市南区=は「一つでも多く全国優勝を勝ち取って、チームの知名度を上げたい」と話す。

=2019/01/24付 西日本新聞朝刊=

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