性犯罪摘発、鉄道警察隊が強化 福岡県警、4年間で4倍に 女性警部補配置、駅員講習強化

性犯罪の取り締まりのためJR博多駅で電車に乗り込む県警鉄道警察隊の女性警部補(左)ら
性犯罪の取り締まりのためJR博多駅で電車に乗り込む県警鉄道警察隊の女性警部補(左)ら
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 福岡県内の駅や電車内の安全を担う鉄道警察隊が、痴漢や盗撮などの性犯罪の摘発を急増させている。昨年は53件で4年前に比べ4倍も増えた。2017年からは性犯罪捜査を重視し、女性警部補を初めて配置して取り締まりを強化。駅員に直接捜査への協力を働き掛けるなどあの手この手で対応してきた。鉄警隊幹部は「女性が安心して利用してもらえるように地道な対策を続ける」と話す。

 1月下旬、福岡市内。冷え込んだ早朝の駅に女性警部補(46)の姿があった。「私も被害に遭った経験がある。絶対捕まえる」。女子高校生から通学中に痴漢に遭ったとの訴えを受け、張り込みをしていた。

 昨年8月、初の女性警部補として着任。被害者と同じ車両に乗る「同行警乗」では、捜査初日に容疑者を現行犯逮捕したこともある。体格の良い男性警察官だと犯人に気付かれやすいが、女性警察官は通勤客に紛れやすい利点があるという。

 鉄警隊は国鉄民営化に伴い、鉄道公安職員の後継として1987年に発足。各地の駅前交番と業務が重複しているとして発足時の3割まで隊員が縮小した。17年に発足30年を迎えたのを機に、県警が三大重点目標に挙げる性犯罪抑止に集中して取り組むことにした。

 鉄道各社の新任車掌に駅での治安対策を教える講習会は、16年の9回から昨年は26回に増やし、うち15回は性犯罪に特化した。17年からは、最初に被害通報を受ける駅員も対象に加えて「被害者の名前と連絡先を必ず聞き、不審者情報も積極的に伝えてほしい」と要請をしている。

 各警察署に寄せられる性犯罪の相談のうち、駅や電車内での被害は情報共有できるようにした。警部補やほかの女性警察官が再度被害者に話を聞いて、摘発につながった例もあるという。駅などで通勤客らに情報提供を求めるチラシ配布の回数も増やした。

 こうした対策の結果、通勤客や鉄道各社からの情報提供は昨年156件で、3年前から1・5倍に増えた。摘発件数も、14年13件▽15年14件▽16年22件▽17年44件-と伸びている。

 鉄警隊が昨年6月に実施した痴漢被害に関するアンケートでは、回答を得た4割が被害に遭った経験がある一方、半数近くは誰にも相談していなかったことが分かった。性犯罪特有の潜在被害は少なくない-。深見心治副隊長は「女性警察官が心のケアを十分しながら捜査するので、安心して相談してほしい」と話す。

=2019/02/05付 西日本新聞朝刊=

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