ドローン事故多発、法改正 政府方針 福岡などで死亡3件

 小型無人機ドローンが人に衝突する死亡事故が、福岡、北海道、千葉で計3件起きていたことが、国土交通省や農林水産省などへの取材で7日、分かった。死亡事故の件数が明らかになるのは初めて。事故やトラブルも、昨年12月までの約3年間で少なくとも180件発生していた。ドローンは現在、国内で十数万機が飛行しているとみられ、今後も活用分野の拡大が予想される。政府は事故対策を急ぐ必要があるとして、飛行前点検の義務化などを内容とする罰則付きの航空法改正案を開会中の通常国会に提出する方針を固めた。

 農水省などによると、死亡事故を起こしたのは、いずれも水田に農薬散布中のヘリコプター型機体。1996年8月、福岡県二丈町(現糸島市)で、回転翼が操縦者の顔を直撃した。2010年7月には北海道せたな町で、機体が操縦補助の男性に衝突。13年7月には千葉県君津市で、機体が電線を避けようとして高度を下げすぎ、操縦していた男性の頭に当たった。

 けが人が出た事故では、03年7月に佐賀県武雄市で、農薬散布のため操縦していた男性が機体の直撃を受け右足を切断。17年11月には、岐阜県大垣市のイベント会場で菓子をまく機体が観客に落下し、6人が救急搬送され、3人が軽傷を負っている。

 ドローンの事故やトラブルについて、国交省は15年12月から件数を集計していいる。それによると、けが人が出た事故は6件、建物や車などの物損事故は13件。旅客機やドクターヘリなど、一般の航空機に異常接近した事例も9件あった。高速道路への落下のほか、墜落、炎上して周囲の草に延焼した例など、大事故につながりかねないケースもあった。ただ、集計の基になる操縦者の報告は任意で、実際はさらに多く発生している可能性がある。

 航空法改正案は、操縦者に対して飛行前点検や気象状況の確認、飛行機との衝突予防を義務化。急降下など他人に迷惑を及ぼす行為や、飲酒後の操縦を禁じる。事故発生時に、国が操縦者の聞き取りや立ち入り調査をすることができることも規定する。

 ドローンに操縦の国家資格はなく、現在の航空法は人口密集地域や目視外での飛行の場合に、許可や承認を必要と定めている。

【ワードBOX】ドローン

 遠隔操作や自動操縦で飛行する無人航空機の総称。英語で雄のハチを示す「drone」が語源。航空法は無人航空機について、重さ200グラム以上としており、従来のラジコン機や農業用無人ヘリコプターも含まれる。2010年以降、複数の回転翼で機体を制御し、スマートフォンなどと連動する「マルチコプター」が爆発的に普及。世界で400万機、国内で10万機超が飛んでいると推計される。

=2019/02/08付 西日本新聞朝刊=

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