性犯罪根絶へ県条例可決 元受刑者住所の届け出義務化 福岡県議会

 福岡県議会は21日の本会議で、子どもへの性犯罪で服役した元受刑者が県内に住む場合、住所などの届け出を義務付ける新たな条例を賛成多数で可決した。同様の条例は大阪府が2012年10月に施行しており、全国2例目。性暴力の定義や被害者支援について、全国で初めて性的少数者(LGBT)間の行為も対象とした。

 主要4会派などが議員提案したのは、「福岡県における性暴力を根絶し、性被害から県民等を守るための条例」案。

 それによると、18歳未満の子どもへの強制性交や強制わいせつ、児童買春などの性犯罪で服役し出所した人が刑期満了から5年以内に県内に住む場合、氏名、住所、性別、生年月日、過去の罪名などを知事に届けるよう義務付けた。県外に転出する際も届け出が必要で、怠ったり虚偽の届け出をしたりすると、5万円以下の過料の対象となる。

 知事は、元受刑者に再犯防止のための専門的な指導プログラムや治療を受けることを勧めることができる。

 また、加害者が社会復帰を望む場合、県が設置する窓口への相談など支援を求めることができるとした。

 ストーカー行為、配偶者や恋人からの暴力(ドメスティックバイオレンス=DV)、セクハラも「性暴力」と定義。LGBTに配慮し、DVには「同性であっても配偶者に類する関係を有する者」からの暴力が含まれるとしたほか、被害者支援の施策は「性的指向や性自認にかかわらず」行うとも定めた。

 一方、元受刑者に届け出を課すことには、県弁護士会などから「プライバシーの侵害」との指摘が出ている。共産党の高瀬菜穂子議員は本会議で反対討論を行い、「『受刑者が新たな生活環境を形成していた場合に、前科情報を公表されない権利は憲法13条で保障されている』との弁護士会の指摘は重く受け止めるべきだ」などと述べた。

 同県の性犯罪認知件数は減少傾向にあるものの、17年の人口10万人当たりの認知件数は8年連続で全国ワースト2位。

=2019/02/22付 西日本新聞朝刊=

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