“創作ダンス”を世界へ 異色集団「んまつーポス」、宮崎に拠点劇場 3月、こけら落とし公演

拠点となる「国際こども・せいねん劇場みやざき」の前でポースを取る「んまつーポス」(左から児玉孝文さん、みのわそうへいさん、豊福彬文さん)=宮崎市吉村町
拠点となる「国際こども・せいねん劇場みやざき」の前でポースを取る「んまつーポス」(左から児玉孝文さん、みのわそうへいさん、豊福彬文さん)=宮崎市吉村町
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こけら落としの公演に向けて練習する「んまつーポス」と中国・香港の「不加鎖舞踊館」のメンバー
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んまつーポスの拠点「国際こども・せいねん劇場みやざき」は保育園の体育館を借りる形で運営する
んまつーポスの拠点「国際こども・せいねん劇場みやざき」は保育園の体育館を借りる形で運営する
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 日本の学校教育で発展した「創作ダンス」の手法を基調とする異色のダンス集団「んまつーポス」が3月、宮崎市吉村町に拠点となる「国際こども・せいねん劇場みやざき」を開設する。こけら落とし公演として、香港のダンスグループと共同制作した作品を3月1、2日に披露。豊福彬文代表(30)は「創作ダンスを世界へ発信する場として、国内外のアーティストや子どもたちとの交流の場にしたい」と話している。

 んまつーポスは2006年、宮崎大で舞踊教育学を専攻する高橋るみ子准教授(当時)の指導を受け、同大研究生だった児玉孝文さん(35)と、大学生だったみのわそうへいさん(32)の2人で結成。後に後輩の豊福さんが加わった。08年にはダンスによる社会貢献を目指しNPO法人「MIYAZAKI C-DANCE CENTER」を設立した。

 コンテンポラリーダンスに分類される3人のダンスは、独特な手法が注目されている。一人の振付家による作品を、その意図をくんだダンサーたちが踊る通常のダンス公演に対し、んまつーポスは全員が振付家。全員で作り上げた共同作品を全員で踊る。根底にあるのが表現教育の一環として戦後日本の学校教育に導入された創作ダンスだという。「豊かな創造力を育む創作ダンスの魅力を世界に広めたい」。そんな高橋さんの思いに、教員を目指して学んでいた若者が共感し、んまつーポスが生まれた。

 風変わりな名称は「逆から読めばスポーツマン」(豊福さん)。発想を逆転させる斬新さで、スポーツ的な動きも随所に盛り込み、独特のダンスを生み出そうという意気込みの表れだ。

 わずか3人の集団ながら、文化庁委託の芸術家派遣事業に連続採択され、本年度も全国9団体の一つとして活動。その表現力は国内外から認められ、韓国や中国、ルーマニア、ドイツなど海外10カ国以上で公演している。毎年、小中学校など約50校でダンスによる表現ワークショップを実施。東日本大震災で被害に遭った福島県いわき市の小学校では、6年前から現地の劇場と組んだ「現代芸術的体育からの復興」プロジェクトにも取り組んできた。

 宮崎市の拠点劇場は、みのわさんの父親で同市の「きらきらアート保育園」園長を務める蓑輪正人さんの協力を得て、園児らが使わない夜間と週末の時間帯に園の体育館を借りる形で実現した。劇場代表のみのわさんは「子どもも楽しめる大人の作品を上演し、子どもたち自身が表現する場としても活用してもらいたい」と話す。その思いを込めて、劇場の愛称は子ども(Children)と青年(Young)の頭文字から「CandY」(キャンディ)と名付けた。

 3人はダンスグループ、NPO法人、劇場の代表を役割分担して共同運営。んまつーポスの初代代表で、今は法人代表理事を務める児玉さんは「ダンスを通じて、子どもたちの価値観を揺さぶる場に」と語る。

 “生みの親”の高橋さんは昨春宮崎大を退官し、現在はメンバーと一体となって活動。「創作ダンスは子どもたちが持つ自己表現の芽を引き出す力があるんです。彼らとともに、学校以外の地域社会に、そして海外に創作ダンスを広めていきたい」と期待する。

 こけら落としの公演「グラスホッパー」は、童話「アリとキリギリス」をキリギリスの視点から表現した意欲作。数年前から交流している香港の振付家ダンサーたちと共に作り上げた。息のあった舞台が楽しめそうだ。

   *    *

 ▼こけら落とし公演 3月1日午後7時、2日午後2時、同7時の計3回上演予定。一般2千円(当日500円増)、大学生千円(同)、中高生500円、3歳~小学生300円。同劇場=090(5487)1239。

=2019/02/26付 西日本新聞夕刊=

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