【博多ロープウエー構想Q&A】福岡市議会、予算削除案を採決へ

 福岡市の高島宗一郎市長が打ち出したJR博多駅と博多港エリアを結ぶロープウエー構想を巡り、市議会最大会派の自民党市議団が、市の新年度当初予算案に盛り込まれた検討費5千万円を削除する修正案を提出します。なぜ高島市長はロープウエー導入を目指し、自民市議団などは異を唱えるのか。13日の市議会本会議で修正案が採決されるのを前に論点を整理しました。

高島市長「判断材料を集めたい」

 Q ロープウエーが検討されているのはなぜ。

 A 博多港ウオーターフロント地区は、大型コンベンション施設が集積し、クルーズ船の寄港も増えています。一方、公共交通はバスだけで、イベント開催時の交通混雑が課題です。さらに、市は同地区で大規模な再整備計画を進めています。新たな展示場や大型商業施設、高級ホテルが整備予定で、市は増大する交通需要への対応が必要としています。

 Q バスや地下鉄では駄目なのですか。

 A 博多駅-同地区には現在、連節バスが運行していますが、市は連節バスだけでは将来の需要に対応できないと試算。学者や市職員による研究会でロープウエーや地下鉄、モノレールなど八つの交通手段を検討し、整備費や輸送力、景観などから「ロープウエーが望ましい」と提言しました。市はこれを受け、ロープウエーに絞って検討する方針を決め、採算性や事業手法などの検討費を新年度当初予算案に計上。高島市長は「市民や議会に示す判断材料を集めたい」としています。

自民「議論不十分で拙速」 野党「生活交通の充実を」

 Q なぜ自民市議団は検討費の削除を求めるのですか。

 A 自民は「議会での議論が不十分で拙速」と主張しています。現時点でロープウエー自体は否定していませんが、議論が深まっておらず、賛否が判断できないとの考えです。例えば、市営地下鉄を整備する際は、ルートや駅の位置などを交通関係の特別委員会で話し合ってきました。ロープウエー導入の動きが市執行部主導で進んでいると反発しています。

 Q 自民以外の市議の考え方は。

 A 立憲民主や国民民主で構成する野党系の市民クラブや共産党市議団などは、ロープウエーそのものに反対で「予算は生活交通の充実に使うべきだ」などと訴えています。第2会派の公明党市議団はまだ対応を決めていません。与党系のみらい・無所属の会や、高島市長に近い自民党新福岡は、検討については容認する方向です。

 Q 修正案は可決されるのですか。

 A 市民クラブや共産などが、最終的にロープウエーの検討費を予備費に移し替える自民の修正案に同調するとみられ、賛成が過半数に達して可決される見通しです。

 Q 可決で検討費の削除が決まるんですね。

 A 地方自治法では、首長が議会の議決に不服がある場合、審議をやり直す「再議」を申し立てることができます。再議では、出席者の3分の1超が修正案に反対すれば、否決となって廃案になります。福岡市では2年前、福岡空港の運営会社に出資を求める自民市議団提案の条例案がいったん可決されましたが、再議で否決されました。修正案に対する賛成の数や、高島市長が再び「再議」に踏み切るかが焦点です。

 博多ロープウエー構想 想定ルートは、JR博多駅と博多港を結ぶ「大博通り」上空の約2キロ。博多港エリアの再整備計画を巡り、市が2015年に実施した民間アイデア募集で、JR九州などが導入を提起したのがきっかけ。17年12月には高島宗一郎市長が自身の政治資金パーティーで、海外の事例を示した上で「私の夢」と打ち出し、18年11月の市長選で公約に導入を盛り込んだ。

=2019/03/11付 西日本新聞朝刊=

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