【動画あり】廃校に響くシンフォニー 福岡・田川市の交流施設「いいかねパレット」

1階ロビーでミニライブ。来場者はリズムに合わせて自然と体を動かした
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漫画「ドラえもん」の「どこでもドア」に似た扉も施設にはある。扉から出てきた女の子は楽しい世界に行けたかな?
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校長室は木製2段ベッドが並ぶ簡易宿泊所に様変わり
校長室は木製2段ベッドが並ぶ簡易宿泊所に様変わり
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旧猪位金小をリフォームした交流施設「いいかねPalette」の入り口
旧猪位金小をリフォームした交流施設「いいかねPalette」の入り口
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かつての教室で卓球に興じる地元の子どもたち
かつての教室で卓球に興じる地元の子どもたち
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 福岡県筑豊地方の山あいに毎夜、音楽が流れる廃校がある。田川市の旧猪位金(いいかね)小。2014年に廃校になった旧校舎では、地元の愛好家がギターや打楽器を持ち寄り、懐かしのフォークソングやディスコ曲を響かせている。山里をほんのり照らす旧校舎の明かりを頼りに聞こえてくる音色は、住民同士が心を一つに奏でるシンフォニー(交響曲)のようで心地よい。そんな“良い鐘”に誘われ、ふらりと立ち寄った。

【動画】廃校から交流施設に変身した「いいかねPalette」

 旧校舎は改修を経て、市の交流施設「いいかねPalette(パレット)」になっている。朝晩の冷え込みが薄れ、山あいも春めいたある夜、1階ロビーがライブ会場に早変わりした。カフェスペースの開設を祝い、施設の運営会社「BOOK」がなじみの音楽仲間に呼びかけてパーティーを開いた。体育館にあった演壇をロビーに移して音響機器を並べ、DJの合図とともに多彩な音楽を流し始めた。人々はにぎやかな音色に集い、笑顔で手をたたき、リズムに乗って体を揺らした。

【写真特集】廃校を利用した交流施設「いいかねパレット」

 「元小学校の面影はそのままに、新たな色を加えたまちおこし拠点を作ろう」。「パレット」は地元出身で、BOOK代表の樋口聖典さん(37)らが17年春に開いた。本格的なレコーディングスタジオ、泊まり込みで音楽を楽しめる木製の2段ベッド(約50床)付きの簡易宿泊所を備える。旧教室などをリラックスルームや卓球台として地域に開放し、定期的にライブやヨガ教室なども開いている。

 同校卒業生でBOOKのプロジェクトマネジャー青柳考哉さん(34)は「卒業後に母校を訪れる機会はめったにない。来館者が自身の思い出に浸るきっかけになればうれしい」と話す。自分たちが通った学びやに再び笑顔と歓声が戻るよう、これからも「明かり」と「音色」を地域に届ける。

 施設は、福岡市中心部から車で約1時間。開館時間は正午から午後9時。不定休。いいかねパレット=0947(49)3300。

 

=2019/03/14付 西日本新聞朝刊=

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