「オール芦屋」の映画完成 エキストラ・炊き出し・道具作り…町民全面協力、今夏に公開

和気あいあいと桜の造花を取り付ける実行委員会のメンバー=1月19日、福岡県芦屋町
和気あいあいと桜の造花を取り付ける実行委員会のメンバー=1月19日、福岡県芦屋町
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 福岡県芦屋町を舞台に、多彩な人間ドラマを描く映画「夏の夜空と秋の夕日と冬の朝と春の風」が完成した。町民有志らでつくる町映画制作実行委員会(吉崎強志委員長)が小道具や大道具作り、衣装提供、エキストラ出演や炊き出しまで全面協力。まさに“オール芦屋”とも言える作品は、今夏全国公開の予定だ。

 映画は死期の迫る妻と夫の姿を描く「桜咲く頃に君と」など4作のオムニバス作品。俳優の市原隼人さんや劇団EXILEの鈴木伸之さんらが主演し、東日本大震災後の仙台市が舞台の映画「風のたより」の向井宗敏監督がメガホンを取った。

 映画は、地域の魅力を発信しようと芦屋町が初めて誘致活動を実施。昭和と平成の雰囲気が混在する町の景色を監督が気に入り、製作が決まった。撮影は2018年10月に開始。町内の小中学校や商店街、遠賀川河川敷などほぼ全てのロケを町内で行い、今年1月にクランクアップした。

 町民らはエキストラとしても出演。「桜咲く頃に君と」で重要な役割を果たす桜は町の造園業者が枝を提供し、約千個の造花を半日かけて取り付けた。

 そのほか、ボクサーの衣装を東鷹高(福岡県田川市)に借りに行ったり、音声や照明を手伝ったり、「撮影と編集以外は全部やった」という町関係者。地元の農水産物を使った炊き出しは撮影スタッフや出演者に好評だったという。

 映画やドラマのロケを誘致する「北九州フィルム・コミッション」(北九州市)の職員は「エキストラでの市民参加はあるが、(芦屋町のような)ここまでの関与は珍しい」と驚く。

 吉崎委員長は「芦屋に来てくれたことに応えたい一心だった。見慣れた景色もカメラを通すと魅力的に見えた経験を生かし、今後も住民自らの手で町の魅力を発信したい」と力を込めた。

=2019/03/14付 西日本新聞夕刊=

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