朝鮮学校除外は「適法」 高校無償化 国の判断支持 地裁小倉判決

 国が朝鮮学校を高校無償化の適用対象外としたのは違法だとして、九州朝鮮中高級学校(北九州市八幡西区)の卒業生ら68人が国に計748万円の損害賠償を求めた訴訟の判決で、福岡地裁小倉支部は14日、「国が裁量権を逸脱、乱用した違法性は認められない」などとして請求を棄却した。全国5カ所で起こされた同種訴訟で最後の一審判決となったが、朝鮮学校の対象除外を適法とする司法判断の流れは変わらなかった。原告側は控訴する方針。

 判決理由で鈴木博裁判長(植田智彦裁判長代読)は「朝鮮学校が朝鮮総連から不当な支配を受けている旨の公安調査庁の調査結果や国会答弁などを踏まえると、(無償化による)就学支援金が授業料に充てられる十分な確証が得られない」などと指摘。適用対象外とした国の判断を支持した。

 高校無償化制度は2010年に民主党政権が目玉政策として始めたが、政権交代後の13年、自民党の下村博文文部科学相(当時)が朝鮮学校を適用対象外とする判断をした。原告は「政治・外交上の理由を教育の場に持ち込んだ」として違法性を主張したが、鈴木裁判長は「外交上の考慮が背景にあるとしても直ちに違法とはならない」とした。

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【ワードBOX】朝鮮学校無償化訴訟

 2010年4月に始まった高校無償化制度を巡り、朝鮮学校を対象外としたことで争われている国家賠償請求訴訟。学校教育法が定める中学や高校ではなく「各種学校」に当たる朝鮮学校については当初、適用されるかどうか審査対象となったが、同年11月の北朝鮮による韓国砲撃で手続きが中断。13年2月に下村博文文部科学相(当時)が省令改正し、無償化の対象外とした。文科省の省令改正は違法だとして、朝鮮学校の卒業生らが14年にかけて小倉をはじめ大阪、名古屋、広島、東京の5カ所で提訴した。大阪だけ一審で原告側が勝訴したが、大阪高裁で逆転敗訴するなど、対象除外は適法とする司法判断が続いている。

=2019/03/15付 西日本新聞朝刊=

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