「地方自治をないがしろに」元福岡市職員、政府を批判 米軍基地の分散「本土引き取り」訴える

沖縄の米軍基地の本土引き取りに取り組む元福岡市職員の吉村慎一さん
沖縄の米軍基地の本土引き取りに取り組む元福岡市職員の吉村慎一さん
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 「政府は沖縄の民意を無視し、地方自治をないがしろにしている」。辺野古移設計画に「反対」の意思をあらためて示す県民大会が開かれた16日、元福岡市職員の吉村慎一さん(66)はその思いに同調した。従来の市民運動とは一線を画してきた元行政マン。沖縄の過剰な負担を減らすため、米軍基地を本土で引き取るよう求める活動を市民団体の一員として続けている。

 吉村さんは2013年まで市職員。元市長の側近として、市民への情報公開などを推進してきた。退職から2年後、米軍基地を本土に引き取る案を講演会で聞き、賛同した。

 日本が1952年に主権回復後、本土復帰前の沖縄に米軍基地が集められた。福岡もそうだ。福岡空港はかつて米軍が接収した板付基地だった。米軍機が68年に九州大キャンパスに墜落し、反基地闘争が起きると、米軍は大部分を返還し、沖縄に機能を移した。「本土側がずっと足を踏みつけてきた」。まずは基地の分散を優先すべきだと考えた。

 市民団体「本土に沖縄の米軍基地を引き取る福岡の会」に参加。シンポジウムや街頭活動に加え、昨年は全国の都道府県知事にアンケートをした。「移設ノー」を訴える候補者の当選が相次ぐ中、国が工事を進めることが「地方自治の侵害」か問うと、「そう思う」と答えたのは38道府県のうち静岡県だけだった。

 「まずは辺野古が“唯一の解決策”という思考停止を打ち破らないといけない」と吉村さん。軍事専門家にも意見を聞く。「引き取る地域を考えるジレンマはある」と正直な思いも吐露するが、沖縄の負担軽減に向かい続ける。

=2019/03/17付 西日本新聞朝刊=

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