福岡発、正義のハッカー映画5月公開 「地味だけど格好いい」ヒーローに光

ホワイトハッカー冬吾(左)と裏稼業専門探偵のライチ。「電気海月のインシデント」より
ホワイトハッカー冬吾(左)と裏稼業専門探偵のライチ。「電気海月のインシデント」より
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萱野孝幸監督
萱野孝幸監督
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近藤悟さん
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 コンピューターに精通し、高い知識と技術を持つ「ホワイトハッカー(正義のハッカー)」を題材にした全編福岡ロケの映画「電気海月(くらげ)のインシデント」が完成した。九州大芸術工学部卒で福岡市を拠点に活動する映像作家萱野孝幸さん(28)が監督と脚本を手掛けた。国家や企業へのサイバー攻撃の阻止など、多大な活躍をしながらも表舞台には出てこないホワイトハッカーに光を当てようと企画された。劇場公開を5月に控え、萱野監督は「ハッカーは地味だけど格好いい。ヒーローものの面白さを追求した」とPRする。

 物語の舞台は2018年、福岡。スマートフォンをハッキングし、盗んだとみられる情報を基にした恐喝事件が多発。調査を依頼された裏稼業専門の探偵ライチとホワイトハッカーの冬吾が真相に近づいていくが、「シロオニ」というクラッカー(高い技術や知識で悪事を行う人)から攻撃を受ける-というサスペンスタッチのストーリー。97分の作品は、冬吾役に俳優境啓汰さん(25)=長崎県出身、ライチ役にモデル愛佳(まなか)さん(27)=福岡県春日市出身=ら福岡で活躍する人が出演者の大半を占め、福岡市中央区を中心に撮影した。製作費は約1千万円。

 発案したのは、子ども向けのプログラミング教室「ITeens Lab.(アイティーンズラボ)」(同県那珂川市)を開く近藤悟さん(29)ら。経済産業省によると、情報セキュリティー人材は2020年に約19万人不足すると推計されており「面白い、楽しい、格好いいというイメージを広げたい」(近藤さん)と萱野監督に映画化を提案。プロデューサーを務めた近藤さんは「大きな被害を与えるサイバー犯罪が多発するなど、高度な技術も使う人次第。技術を正しく使える人が増えてほしいとの願いも込めた」という。

 ハッキングなどのシーンでは、専門的な技術を用いてリアルさを追求。本物のハッカーから聞き取り、癖や使う道具など細部にもこだわった。

 上映は、イオンシネマ大野城(同県大野城市)で5月10日から、イオンシネマ港北ニュータウン(横浜市)で同24日から。2館限定公開だが、昨年の大ヒット映画「カメラを止めるな!」も最初は2館からのスタートだった。萱野監督は「まずは、1万人に見てもらうのが目標」と話している。

=2019/03/18付 西日本新聞夕刊=

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