大規模災害時に備え 「やさしい日本語」交流会浸透 別府市 参加者、当初の3倍に

「亀」という漢字の語源やイメージについて話す交流会の参加者たち
「亀」という漢字の語源やイメージについて話す交流会の参加者たち
写真を見る

 大きな災害が発生したときなど外国人に躊躇(ちゅうちょ)なく話し掛けられるようにと、大分県別府市周辺に住む日本人と外国人が、「やさしい日本語」を使って理解し合う交流会「ひるまち にほんご」が徐々に浸透している。3年前の熊本地震を契機に立命館アジア太平洋大(APU、同市)の教員3人が始めた。当初の参加者は十数人だったが、今ではその3倍近くに。3人は「少しずつ、スムーズに会話ができ始めている」と自信を深めている。

 交流会は、日本語を教えるAPU講師の山内美穂さん(54)ら3人がボランティアで開催。2016年4月の熊本地震では、別府市の避難所に日本人と外国人が一緒に身を寄せたが、避難者への聞き取り調査の結果、「普段外国人とあまり接触のない住民は、外国人の行動を理解できない」「外国語を使わないとコミュニケーションが取れないと考えている住民がいる」ことが見えてきた。言葉や文化の違いから生じる誤解や認識不足を解消するため、同年11月から月1回のペースで交流会を始めた。

 交流会は理解が深まるよう「です・ます」や短い文で話し、外国人が分かりにくい「きらきら」などの擬態語や和製英語はできるだけ使わないのがルール。「新年の行事」「ペット」など毎回テーマを決め、意見交換などをしている。

 同市千代町の飲食店であった1月の交流会には、APUの留学生や教員とその家族、地元の日本人ら計約30人が参加。数人ずつのグループに分かれ、「漢字」に関するゲームやクイズなどを楽しんだ。あるグループでは「漢字は難しいがデザインとしてきれい」「外国人は漢字に対していろんなイメージを持っている」などそれぞれの見方や考え方を発言し合った。

 初参加した韓国出身のAPU留学生(20)は「日本人は物静かと思っていたが、特に目上の方に元気な方が多い」と驚いた様子。4年前に別府市に移住した女性(67)は「いろんな国の言葉を知り、もっと分かりやすく日本や別府を伝えたい」と意欲満々だった。

 最近は常連の参加者もおり、同県由布市や福岡市でも同様の交流会が企画されているという。山内さんは「外国人には覚えた日本語を試す場、日本人には外国人を身近な存在として理解する場になっている。外国人にあまり興味がない人にも広がっていけば」と話している。

=2019/03/20付 西日本新聞夕刊=

西日本新聞のイチオシ [PR]

西日本新聞のイチオシ [PR]