子どもの自殺、九州・沖縄は3月下旬が最多 「8月下旬」上回る

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 夏休み終了前後に多発する子どもの自殺が社会問題となる中、九州・沖縄では小中高生の自殺のピークが春休み中の3月下旬であることが、厚生労働省所管の自殺総合対策推進センター(東京)の調査で分かった。夏休みを意識した児童・生徒への自殺対策が各地で広がる一方で、年度末は対策が手薄。同センターは「長期休みは自殺が増える傾向があり、夏以外の対策も必要だ」と注意を促している。

 1973~2015年度に小中高校に通っていた児童・生徒の自殺のデータを分析。06~15年度の直近10年間は、全国では8月下旬に自殺者が最も集中していた。

 一方、全国を六つに分けた地域別では、最多の時期が北海道・東北は6月下旬、中国・四国は1月中旬、九州・沖縄は3月下旬など、地域ごとに異なる傾向が出た。関東、中部、近畿では8月下旬が突出していた。同センターは「地域別にピークが異なる理由の分析は難しい」としている。

 厚労省によると、児童・生徒以外も含めた自殺者は3~5月に多い傾向があり、3月は自殺対策強化月間として啓発活動が盛ん。小学生に限ると全国的に3月が最多で、文部科学省も都道府県教育委員会などに対策を促している。

 ただ、内閣府が15年に、18歳以下の自殺は「9月1日」が最多と発表したこともあり、近年は児童・生徒向けの対策は夏休み明け前後が中心。鹿児島県や熊本市は昨夏、インターネットの会員制交流サイト(SNS)で相談窓口を設置したが、春休み時期は予算の都合などで実施していない。民間団体の取り組みも夏休みのように盛んではない。

 自殺予防対策に詳しい精神科医の小嶋秀幹福岡県立大教授は「春は受験、進学、進級などで環境が変化しやすい季節。うつ的な症状を抱えた人は、環境の変化を悲観的に受けとめやすいため、周囲のさらなる注意が必要だ」と指摘している。

=2019/03/23付 西日本新聞朝刊=

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