北九州市議が所得隠し 法人収入を「私的流用」 小倉税務署認定 追徴460万円

 北九州市議会の西田一議員(47)=自民=が、一昨年6月まで理事を務め、現在も籍を置く社会福祉法人「双葉会」(同市小倉南区)の事業収入約1700万円を13年間にわたり自身の口座に振り込ませていた問題で、小倉税務署が、仮装や隠蔽(いんぺい)を伴う悪質な所得隠しと認定したことが24日、関係者への取材で分かった。西田氏への追徴税額は無申告加算税などを含め、少なくとも5年分で約460万円に上るという。

 関係者によると、事業収入の総額は1702万6500円。小倉税務署の指摘を受け、双葉会は3月に入り、時効分を除く事業収入を修正申告し、源泉所得税89万4612円を納付した。今後、法人税や事業税など203万5100円に加え、重加算税や不納付加算税など計54万9500円も課される。

 西田氏は無申告加算税などのほか、延滞税も確定次第、課される。

 双葉会は2月、理事会で西田氏の私的流用を認定、事業収入の全額返還を求めた。西田氏は双葉会に返還意向を示し、「多額なので支払いは少し待ってほしい」として分割返還などを求めているという。

 西田氏は西日本新聞の取材に「指摘に従い適切に処理する」と話した。

 問題の事業収入は、双葉会が運営する特別養護老人ホーム(特養)屋上に設置された携帯電話用無線基地局設備の設置料。西田氏は特養の施設長だった2005年9月に通信会社と契約を締結。毎月10万円の設置料を昨年12月まで自身の口座に振り込ませていた。

■支出項目に「花見」「懇親会」「カラオケ」 「公私混同」浮き彫り

 花見、ロータリークラブ懇親会、カラオケ教室発表会、うなぎ放流会…。北九州市議会の西田一議員が社会福祉法人「双葉会」に提出した報告書などによると、個人口座に振り込ませていた事業収入約1700万円の大半は使い切られていた。議員や法人職員、個人の立場を線引きすることなく「公私混同」をしていた疑いが浮かぶ。

 西日本新聞は、西田氏の報告書や、双葉会が西田氏から実施した「聴き取り結果」の文書などを入手した。このうち、西田氏が提出した資料「交際費支出の基となる会合」には、A4用紙17枚にわたり約900の支出項目が列挙されていた。支出が法人活動に資する適正なものだったのか、判断が不可能な項目が大半を占め、支出を裏付ける領収書は1枚もなかった。口座残高は20万~30万円だった。

 議員活動では「福祉を一番に」を信条に、西田氏は福祉行政への精通をアピールしていた。報告書からは、複数の市幹部、職員や国会議員との懇親会費用にも充てていたことがうかがえる。

 問題発覚後、西田氏は「地域行事の飲食やPTA活動などに使った」と説明していた。

 双葉会関係者によると、西田氏は問題の事業収入だけでなく、法人会計からも祭りなどへの酒や祝儀の持参代金を法人名義で支出させていた。「手ぶらでは行けない」と釈明したという。関係者は「法人を隠れみのにして、不適切な議員活動をしていたと受け止められても仕方がない」と指摘した。公選法が禁じる寄付行為に当たる恐れもある。

 双葉会は今後、西田氏の刑事告訴も検討するという。

=2019/03/25付 西日本新聞朝刊=

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