熊本地震3年、益城支えたFM終幕 被災町民50人、交代で放送 「町が立ち直ってきた証し」

放送の合間に打ち合わせをする吉住英子さん(左)と木下知香さん=22日、熊本県益城町
放送の合間に打ち合わせをする吉住英子さん(左)と木下知香さん=22日、熊本県益城町
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 2016年の熊本地震で震度7を2度記録した熊本県益城町で、被災の約2週間後に始まった町の臨時ラジオ局「ましきさいがいエフエム」が26日午前9時からの放送を最後に閉局する。被災した町民のボランティア約50人が交代で生活情報を発信してきたが、復旧が進み、役目を終える。最終回を受け持つ木下知香さん(52)と吉住英子さん(72)は「寂しいけど、町が立ち直ってきた証し」と前を向く。

 16年4月27日、益城町保健福祉センターに放送局が設けられた。町は6千棟超が全半壊し、同センターも当時は階段まで避難者があふれていたという。放送当初は、停電や断水の復旧状況、自衛隊による入浴施設の開設など最新のニュースを3時間ごとに発信し、被災者を支援。スマートフォンで放送を受信するアプリは約6千人が利用し、県外からも反響があった。

 木下さんは町内の自宅が全壊し、半壊した実家に長男(10)を連れて避難していたが、司会業の経験を買われ16年5月初めから放送ボランティアに加わった。「先のことが見えず悩んでいたときに、自分が一歩を踏み出すきっかけにもなった」。放送室近くの部屋で避難生活をしていた旧知の吉住さんを誘い、主に2人でペアを組んできた。

 熊本市出身の木下さんは、3年間過ごしたアラブ首長国連邦(UAE)から08年に益城町に転居。放送で知らない地名があるとき、地元生まれの吉住さんが助けてくれた。多くのリスナーからの応援メッセージが放送の支えとなった。

 復旧が進むとともに、放送内容は災害関連から交流行事の紹介などに移り、最近は放送が週2回になっていた。「ラジオで町の課題や復旧状況を知り、たくさんの人に励まされ、本当に益城の人になった気がします」と木下さん。最終回では、3年間の感謝と復興への願いを込めるつもりだ。

=2019/03/26付 西日本新聞朝刊=

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