「震災遺構」53件保存へ 熊本県と4町村 仮設住宅や断層

 熊本県や県内の4町村が、熊本地震で被災者が暮らした仮設住宅や被災した建物など53件を「震災遺構」として保存する方針であることが15日、分かった。「震災ミュージアム」として各地の震災遺構を見学できるコースも整備し、地震の教訓を県内外に発信する。

 遺構を保存するのは県と益城町のほか、大津町、西原村、南阿蘇村。このうち県が保存するのは、地震で甚大な被害を受けた南阿蘇村の東海大阿蘇キャンパス1号館と周辺の地表の断層。震災ミュージアムの中核拠点と位置付けている。

 仮設住宅を保存するのは西原村。入居者が全て退去した後に1棟分を残し「被災者の暮らしが伝えられるようにしたい」という。役場敷地内の傾いた電柱などと合わせ13件を予定する。

 益城町は、地震で地表に露出した断層や、倒れた木山神宮の鳥居など28件。南阿蘇村は、地震で崩落した阿蘇大橋の残された橋桁など10件で、3月には遺構などの解説情報を発信するスマートフォンアプリ「つなぐ」の配信も始めた。大津町は、瀬田妙見神社に落ちた巨石を保存する。

 全53件のうち、破損したガードレールや地滑り箇所など一部は復旧工事で被災時の状態が保てないため、周辺に写真や現物を展示できるよう検討するという。

 県と4町村などは昨年5月に震災ミュージアムの連携会議を設置し、遺構の保存などについて協議を進めていた。今月25日には遺構などを回るモニターツアーを開く。

=2019/04/16付 西日本新聞朝刊=

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