宇佐神宮「歴史、宗教的にそぐわない」 「勅使街道」整備事業で異例の要望書 [大分県]

宇佐市が予定していた「勅使街道」の美装化イメージ当初案
宇佐市が予定していた「勅使街道」の美装化イメージ当初案
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配色や形状が周囲の景観にそぐわないとの指摘もある小山田記念公園に建てられた東屋
配色や形状が周囲の景観にそぐわないとの指摘もある小山田記念公園に建てられた東屋
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 宇佐神宮への天皇からの勅使が通ったといわれる宇佐市の通称「勅使街道」周辺で市が行っている景観整備事業を巡り、街道の路面上に施す意匠について宇佐神宮側が4月下旬、「神宮の歴史や宗教的空間にそぐわない」として善処を求める異例の要望書を市側に提出していたことが分かった。14日の市議会6月定例会で質問した高橋宜宏市議に、是永修治市長は「図案については、神宮などと協議し納得してもらえるデザインにしたい」と答えた。

 市によると、「宇佐神宮周辺街なみ環境整備事業」で、2013年度から19年度まで総額17億円をかけ、勅使街道とその周辺約37ヘクタールを再整備する計画。具体的には、街道の無電柱化や美装化をはじめ観光交流施設建設や、すでに完成している小山田記念公園の新設などがある。

 神宮側が問題視しているのは2点。勅使街道の路面上に施す予定の幾何学模様の図案と、小山田記念公園(3500平方メートル)内に設置されたあずまやの形状や彩色に関してだ。

 神宮側は、幾何学模様が交互に連続する街道の美装化計画を「近代的な意匠で、歴史街道としての風情やたたずまいを残していない」と指摘。「拙速な決定を避け、より伝統的な意匠、デザインによる美装化」を求めている。昨年、街道北側で発掘された江戸中期から後期に敷かれたと思われる石畳を意匠の根拠としたデザインにしてほしい、とも述べている。

 また小山田記念公園については、神宮と歴史的に深いつながりを持つ小山田家が市側に寄付した土地を元に整備された。神宮によると、公園内に設置された現代的な様式のあずまやに対し、小山田家側が再三、色彩変更や和風建築への変更を市側に求めていたという。小山田家側の意向も受け、公園内の土地の一部を市に無償貸与している神宮は「工事は完了しており、変更は困難かもしれないが、誠意ある対応をお願いしたい」としている。

 今回の異例の要望書提出について神宮側は「市と無用な争いを起こそうとは思っていない」と断った上で、「今後の市の対応を見守らせていただきたい」と話している。

=2017/06/15付 西日本新聞朝刊=

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