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生き残った稲、心込め刈る 豪雨被害、日田・大鶴地区の藤井さん 「最後の収穫になるかも」 [大分県]

土砂崩れ(奥)の跡が生々しい川沿いの田んぼで刈り取った稲を掛け干しする藤井千里さん(手前)と義弟の正光さん
土砂崩れ(奥)の跡が生々しい川沿いの田んぼで刈り取った稲を掛け干しする藤井千里さん(手前)と義弟の正光さん
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 九州豪雨の被害に遭った日田市大鶴地区上宮町の藤井達雄さん(85)と千里さん(81)夫妻の田んぼで8日、稲刈りが行われた。川の氾濫で、稲のほとんどが流されたり土砂に埋まったりした中、わずかに生き残った稲が黄金色の穂を実らせた。「諦めていたのによく実ってくれた」と2人は一株一株、大事に刈り取っていた。

 藤井さんの田んぼは、鶴河内川沿いの約20アール。100メートルほど上流の自宅は無事だったが、田んぼは川からあふれた流木や土砂などが流れ込んだ。農機具倉庫も流されて消毒も、肥料を施すこともできず、収穫を諦めていたが3分の1ほどが生き残り、普段より少ないものの立派に穂を実らせた。

 この日は、がれきや流木が残る田んぼで、達雄さんの弟正光さん(65)も手伝って稲を刈り取って束ねた後、組んだ竹に掛け干ししていった。

 ただ護岸が崩れた川や、流木や土砂、がれきが残る田んぼの復旧には数年かかる見通しという。千里さんは刈り取った稲穂を眺め、「もうこの年だから。これが最後の収穫になるかもしれんねえ」と寂しそうに話していた。

=2017/10/09付 西日本新聞朝刊=

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