“分校カフェ”にぎわう 住民運営「すずめの楽校」 杵築市大田小野 教室で給食味のカレーも懐かしく [大分県]

オープンして約1カ月になる「カフェ すずめの楽校」
オープンして約1カ月になる「カフェ すずめの楽校」
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「懐かしい味です」「机がかわいい」。会話を楽しむカレーを調理した女性と来店客
「懐かしい味です」「机がかわいい」。会話を楽しむカレーを調理した女性と来店客
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店の横を走る県道沿いの小さな看板が目印
店の横を走る県道沿いの小さな看板が目印
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 杵築市大田小野の旧田原小小野分校に「カフェ すずめの楽校」がオープンし、にぎわいを見せている。黒板が残る教室で、かつて児童が使った机やいすに座ってコーヒーを飲み、幼き日に思いをはせ、おしゃべりに興じる。運営する地元住民によると、合併前の旧大田村では初のカフェで、「童心に帰って、地元の人たちとおしゃべりを楽しんで」と来場を呼び掛けている。

 同分校は地元の1、2年生が通学していたが、2010年3月に閉校。「地域のシンボルがなくなるのは寂しい」という地元の要望に応え、市は農村文化体験交流館「すずめの楽校」に改修した。12年から地元住民でつくる「小野の里活性化協議会」が、都市住民らを対象にシイタケのコマ打ちや稲刈り、そば打ちなどの体験会を開いている。

 過疎化が進む小野地区は市大田庁舎から約8キロ、一番近い商店でも4キロほど離れている。路線バスは廃止され、大田庁舎と地区を結ぶ市コミュニティーバスがあるが、週2日運行と交通の便は良くない。自宅にこもりがちな高齢者に外出を促し、地区外住民との交流も深めてもらうため、カフェを思い立ったという。

 営業は土、日曜日で、同協議会の女性メンバーが交代で切り盛りしている。メニューはコーヒーと手作りのビーフカレーやケーキなど。中でも、分校時代の給食の味を思い出して作ったビーフカレーが自慢で、大きめに切った地元産のニンジン、タマネギ、ジャガイモを煮込んで作る。食器は陶器だが、トレイは当時のものを使っている。

 11月4日のオープン以来約1カ月が過ぎたが、毎回地元住民らを中心に20人前後が訪れ、昔話に花を咲かせているという。2日も地元と日出町の50代女性2人が来店し、「机がかわいい」「昭和の味がするカレー」「どんな給食が好きだった」など、配膳した女性と会話を楽しみ、カレーをお代わりした。

 同協議会事務局長で、すずめの楽校長の安藤博昭さん(64)は「この地区にはコンビニも自販機もない。でも青空や緑の田んぼ、川など自然だけは豊富で、自慢できる。派手さはないが田舎らしいオアシスにしたい」と話している。

 午前11時~午後4時。不定休。カフェ=0978(52)2298。

=2017/12/04付 西日本新聞朝刊=

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