西村さん再び市民栄誉賞 中津出身剣道2度目日本一 「基本学んだ古里のおかげ」 [大分県]

奥塚正典市長(右)から市民栄誉賞を授与される西村英久さん
奥塚正典市長(右)から市民栄誉賞を授与される西村英久さん
写真を見る

 11月に東京・武道館であった全日本剣道選手権で2年ぶり2度目の日本一に輝いた西村英久さん(29)=熊本県警、5段=が5日、古里の中津市から2度目となる市民栄誉賞を贈られた。複数回の授与は個人では初。西村さんは「来年、韓国である世界選手権で個人、団体ともに優勝を果たしたい」と次なる目標を語った。

 西村さんは、中津市出身。小学3年から剣道を始め、市立緑ケ丘中卒業後、剣道の強豪校・九州学院高(熊本市)に進学。2、3年時には、玉竜旗大会で大将として2連覇に貢献した。筑波大3年時には全日本学生の個人戦を制し、2011年、熊本県警に入った。

 昨年4月の熊本地震の際には機動隊員として夜を徹して救助活動や行方不明者の捜索に当たった。制服を着ていなければ足がすくむような現場。がれきの中から遺体を見つける日々が続いた。余震が起これば自分の命も危うい現場ばかりだった。県警の稽古場も被災し、約2カ月後に練習を再開したが「多くの県民が被災し苦しんでいるのに、剣道をしていていいのかと悩んだ」という。連覇がかかったその年の全日本選手権では準決勝で敗れた。「なぜ剣道をするのか」「なんで一番を目指すのか」。悩む時期が続いた。

 そんなとき、死がすぐそこにあった捜索現場を思い出した。「自分は生きているんじゃない。幸運にも生かしてもらっている。それなら大好きな剣道を楽しもう」

 負けることが怖くなくなった。剣に迷いもなくなった。今年の全日本選手権決勝では、九州学院の先輩・内村良一さん=警視庁、7段=と当たった。負けてもいい、悔いが残らないよう思いっきりいったという。西村さんは「剣道は、勝ち負けより、人として成長することが一番大事なんだと思えるようになった」と述懐する。

 奥塚正典市長は「中津出身の西村さんが活躍する姿は、地元の剣士たちに勇気と目標を与えている」と称賛。西村さんは「中津で剣道の基本を学んだ。今の自分があるのは中津のおかげです」と笑顔で語っていた。

=2017/12/07付 西日本新聞朝刊=

西日本新聞のイチオシ [PR]

西日本新聞のイチオシ [PR]