来年のラグビーW杯準備加速 芝生を強化、著名人PR、旅行商戦も 官民で万全体制へ「機運盛り上げる」 [大分県]

天然芝の張り替えやラグビーのゴールポスト付け替えの改修が進められている大分銀行ドーム
天然芝の張り替えやラグビーのゴールポスト付け替えの改修が進められている大分銀行ドーム
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広瀬勝貞知事(中央)と特別サポーターの「DRUM TAO」のメンバーら
広瀬勝貞知事(中央)と特別サポーターの「DRUM TAO」のメンバーら
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 ラグビーワールドカップ(W杯)日本大会開幕を来年に控え、開催都市の県では、会場となる大分銀行ドーム(大分市)の改修や観戦客誘致など受け入れ準備が加速している。五輪、サッカーW杯と並び世界三大スポーツイベントとされるラグビーW杯。東京、横浜に次いで多い5試合がある大分には3連覇を目指すニュージーランドやオーストラリアなど人気チームが訪れるとあって、官民の関係者は万全の体制を整えようと意気込んでいる。

■大分銀行ドーム

 1月中旬、冷たい風が吹き込む大分銀行ドーム。ピッチは天然芝がはがされ、土がむき出し状態。周囲ではクレーン車などの重機が陣取る。今後ゴールポストも倍以上の17メートルまで高くされる予定で、2月中の完成を目指し、W杯仕様への転換が急ピッチで進む。

 課題はスクラムなど激しいプレーに耐えられる芝の強化だ。大分銀行ドームは屋根付きで、以前から日照不足による芝の衰退が問題となっていた。管理する県は、芝に人工照明を当てる衰退防止法に取り組み、来年度には大規模実証実験を予定している。県公園・生活排水課は「芝への負担はサッカーに比べても大きい。よりよい状態にするため、あらゆる方法を検討している」と話す。

 交通アクセスも課題の一つ。県と、バスやタクシーの事業者などでつくる交通輸送専門委員会は、観戦客を3万7千人程度と見込んでおり、300台以上のバスやタクシーによるスムーズな輸送のほか、会場周辺の渋滞回避策も念頭に詳細な計画を詰めていく。

■強力援軍次々

 「地元である世界的な大会。ヒーローインタビューなどで、ばしっと広めたい」。10日、大会をPRする県の特別サポーターに任命された福岡ソフトバンクホークスの内川聖一選手(35)=大分市出身=は笑顔で語った。

 特別サポーターは、県のホームページで動画に出演するなどして大会、特に大分開催をPRする強力な援軍。内川選手のほかに、大相撲の嘉風関(35)=佐伯市出身=と、和太鼓パフォーマンス集団「DRUM TAO」(竹田市)も名を連ねる。

 関係者によると、今年6月に大分銀行ドームで日本とイタリアの代表戦が組まれているという。開幕500日前、1年前にも関連イベントを開く予定で、県関係者は「機運を盛り上げていきたい」と意気込む。

■大会後見据え

 世界中から観戦客が押し寄せるW杯。観光立県・大分にとって訪日客を取り込む絶好の機会となる。

 「旅行商品の商戦はすでに始まっている」。県観光・地域振興課の阿部万寿夫課長は明かす。海外の旅行会社がツアー用に県内のホテル・旅館を確保する動きがあるという。

 2016年の県内への訪日客は62万人で、うちアジアが97%を占める。ただW杯では欧米やオセアニアからも訪れることが見込まれるだけに、県やホテル・旅館など観光事業者はW杯後も見据える。ガイドや看板などの多言語表記、提供する食事の成分表提示、個人旅行が多く宿泊予約サイトを利用する傾向が強い欧米人に向けて、海外で使われているサイト「Booking.com」などへの登録-。新たな観光客獲得に余念がない。

 会場運営を補助する数百人規模のボランティア募集も今春にもスタートする。県内に暮らす外国人女性でつくる「外国人妻の会」はすでに県民向けの外国語講座を開いており、「おもてなし」の心をさらに磨く動きも広がってきた。JR大分駅などに設置された、開幕までの残り日数を示すカウントボードの数字が減るごとに、官民関係者の熱気は高まっている。

◆試合チケット販売 開催地向けは3月

 試合チケットの販売は、1月から段階的に始まる。27日-2月12日にセット券の一般販売、開催都市の住民向け先行販売は3月19日-4月12日、試合ごとの一般販売は第1次が9月19日-11月12日、第2次は来年1月19日からなど。購入するには、大会公式チケットサイト(http://tickets.rugbyworldcup.com)でID登録(無料)が必要。

 1試合分の料金は1次リーグが大人2019~5万円、16歳未満1000~5000円。決勝トーナメントが大人、子どもともに1万~10万円。

=2018/01/13付 西日本新聞朝刊=

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