「聴覚障害者も楽しんで」 百人一首、指で読み上げ 別府大手話サークル部員発案 [大分県]

和歌をひと言ひと言ずつ指文字で表す下鶴賢太郎さん
和歌をひと言ひと言ずつ指文字で表す下鶴賢太郎さん
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下鶴さん(中央)の指の動きを見つめる「手話サークルHELL0」のメンバー
下鶴さん(中央)の指の動きを見つめる「手話サークルHELL0」のメンバー
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 耳に障害がある人も参加できるように、指で五十音を一音一音表現する「指文字」を使った百人一首に、別府大(別府市北石垣)の学生たちが取り組んでいる。発案者の同大2年、下鶴賢太郎さん(26)は「日本の伝統的な正月遊びが、健常者と障害者の交流のきっかけになればいい」と話している。

 指文字は、指を曲げたり立てたりなどして「あ」「い」など文字を一音ずつ表す方法。一方、手話は指の動きや身ぶり手ぶりで単語などを伝える。固有名詞や人の名前など、手話では伝えにくい言葉を指文字で補う形で使われる。

 下鶴さんは同大入学後、希望する福祉関係の仕事に役立つと考えて「手話サークルHELLO」に入部した。部には耳の不自由な先輩がいた。そこで高校時代に取り組んだ百人一首と指文字を組み合わせれば誰でも参加でき楽しいのではないか、と提案した。

 昨年初めて、サークル内で披露。今年は今月11日、新たにルールなどを決めて同大の茶室で開催した。

 遊び方は、読み手がまず指文字だけで和歌を「吟じる」。それでも札が取れないと、理解を進めるため指文字と口の開け閉めで示し、3度目は通常の百人一首のように声を出して和歌を詠むというスタイル。11日はサークルメンバー十数人が参加。2チームに分かれ、取り札25枚を前に円座を組んだ。メンバーは指文字を示す下鶴さんの指や口を注視し、分かれば取り札に目を落とし、素早くタッチ。通常の百人一首とは趣が異なる中、笑い声が次々と上がった。取り札を1枚取ったという難聴の男子学生は「札を探すのが難しかったけれど、楽しかった」と振り返った。

 サークル顧問の藤森千博文学部講師は、「このスタイルが広まれば、健常者と聴覚障害者が一緒に楽しめる。面白い活動になりそうだ」と学生たちの取り組みを注目している。

 今後、指文字に加えて手話も取り入れた方法を考えるという下鶴さん。「指文字や手話、百人一首を楽しみながら知ってもらえるきっかけになればうれしい。やってみたい団体があればできる範囲で協力したい」と話している。

=2018/01/18付 西日本新聞朝刊=

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