「異様な泡立ち」養豚場の汚水に悩む住民 10年以上前から悪臭、防止策求め組織結成へ 宇佐市院内町 [大分県]

汚水が流れ込む川では異常な泡立ちがあり悪臭が鼻をつく
汚水が流れ込む川では異常な泡立ちがあり悪臭が鼻をつく
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造成現場下に設置された簡易な土留め。住民は「大雨が降れば土砂が流れ、下にある民家が危険」と話す
造成現場下に設置された簡易な土留め。住民は「大雨が降れば土砂が流れ、下にある民家が危険」と話す
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 宇佐市院内町で、養豚業者が排出する汚水などによる悪臭や造成工事によるとみられる土砂流出などで、近隣住民との間でトラブルとなっている。地元は「業者は話し合いにまったく応じない」として、近く住民組織を結成。市や県と連携し、業者側に汚水や悪臭、土砂流出の防止策について善処を求めていく方針。住民の一人は「汚水は駅館川に流れていき、下流の宇佐市民の水道用水となる。下流の皆さんにとっても切実な問題です」と訴える。

 市によると、養豚場は約5800平方メートルで、豚舎など18棟あり、約4600頭の豚を飼育。また現在、隣接地に豚舎などを新たに整備している。関係者によると、9千頭の豚を飼育する計画を進めているという。

 自治委員の男性(74)によると、悪臭は10年以上前から。養豚場の近くの十数軒ではほぼ毎日、悪臭に悩まされているという。別の男性(55)は「みな高齢者。無用な争いをしたくないからと声を上げたくても上げられなかった。ずっと泣き寝入り状態だった」と唇をかむ。汚水によるとみられる河川の汚濁が近年、特にひどくなったという男性は「昔はきれいな川だった。養豚場が大きくなるにつれ、川の異様な泡立ちも大きくなった」と話す。

 また2016年6月、養豚場の造成工事が原因とみられる土砂流出もあった。元自治委員の男性(65)は「養豚場が数年前、拡張工事を行った際、山の頂上付近にあるのに適切なのり面の造成をしなかった。大雨が降ると大量の土砂が下の民家や道路、農業用水路に流れるようになった」と憤る。男性によると、水路は数十メートルにわたって土砂で埋まったため、一時、水田に水がひけなくなったという。

 業者側の対応に業を煮やした地元は2月27日、住民組織を結成する方針を確認した。元自治委員の男性は「このままでは、住民が知らぬ間に拡張が進み、汚水が垂れ流され、ますます悪臭がひどくなる。声を上げるしかない」と強調する。業者は3月5日、西日本新聞の取材に「責任者不在のため、コメントできません」と話した。

=2018/03/06付 西日本新聞朝刊=

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