藩主の人柄を遺品で探る 3メートルに迫る大筒、登山用の背負子… 企画展「殿様」宇佐市で15日まで [大分県]

佐伯藩の初代藩主毛利高政が大坂の陣で使用したと伝わる全長280センチを超える大筒「四かいなみ」(佐伯市歴史資料館寄託)
佐伯藩の初代藩主毛利高政が大坂の陣で使用したと伝わる全長280センチを超える大筒「四かいなみ」(佐伯市歴史資料館寄託)
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臼杵藩が収集した、丹波(京都府)福知山城の絵図「丹州天田郡福知山城図」(臼杵市教育委員会所蔵)
臼杵藩が収集した、丹波(京都府)福知山城の絵図「丹州天田郡福知山城図」(臼杵市教育委員会所蔵)
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大船山を愛した岡藩3代藩主中川久清が、登山の際に乗ったと伝えられる背負子「人馬鞍」(竹田市立歴史資料館所蔵)
大船山を愛した岡藩3代藩主中川久清が、登山の際に乗ったと伝えられる背負子「人馬鞍」(竹田市立歴史資料館所蔵)
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蘭学者前野良沢を支援した中津藩3代藩主奥平昌鹿による直筆の書(中津市の自性寺所蔵)。昌鹿は書や画に精通した文人としても知られた
蘭学者前野良沢を支援した中津藩3代藩主奥平昌鹿による直筆の書(中津市の自性寺所蔵)。昌鹿は書や画に精通した文人としても知られた
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 江戸時代、今の県内に分立していた八つの小藩のうち、四つの藩の個性的な藩主たちの人柄を遺品で探る企画展「殿様-おおいたの藩主たち」が、宇佐市高森の県立歴史博物館で開催されている。武器、書物、登山道具など多彩な品が展示されている。15日まで。

 同館によると、江戸時代、県内には譜代や外様など八つの小藩のほか、日田・玖珠などの幕府領▽熊本、島原、延岡各藩の飛び地-が点在していたという。

 計47点の展示物の中でひときわ目を引くのは、280センチを超える大砲のような大筒「四かいなみ」。佐伯藩の初代藩主毛利高政が大坂の陣で使用したと伝わる。武辺者とされる高政だが、城下の整備や荒廃した農漁村の復興に尽力するなど藩の土台を作った功労者でもある。「寛政の三大文人大名」とされる8代高標(たかすえ)は、藩校「四教堂(しこうどう)」を開き、広瀬淡窓の師・松下筑陰を教育に当たらせるなど学問を奨励。漢籍や洋書など3万冊以上を収集させ、蔵書は「佐伯文庫」として今に伝わる。

 一風変わったこだわりを持っていたのが岡藩3代藩主中川久清。大船山を愛した久清は、山中にある「鳥居箇窪」に自らの墓地を作らせたほどだった。登山時、屈強な地元住民に自分を背負わせる際に使ったと見られる背負子(しょいこ)「人馬鞍(くら)」も展示されている。

 最大の石高10万石を誇ったのが中津藩(奥平家)。3代藩主奥平昌鹿(まさか)は藩医前野良沢の蘭学研究を支援し、翻訳医学書「解体新書」として結実させた。藩医の職務から離れた良沢を許したともされる。昌鹿は書や画にも精通。今回展示されている直筆の「鶴寿 亀齢」は見る者を圧倒する力強さがある。

 臼杵藩5代藩主稲葉景通は1500点を超える膨大な絵図を収集した。臼杵とは関わりのない江戸や大坂のほか、丹波・福知山城などの城下絵図も多数存在する。稲葉家の意思として代々収集されたようだが、景通の時代に集中的に集められたという。村上博秋学芸員(47)は「動機などは不明だが、景通が収集した絵図を見ることで彼の思考をうかがい知ることはできる」と話す。

 一般310円、大学・高校生150円、中学生以下無料。

=2018/05/09付 西日本新聞朝刊=

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