「遠き日の耶馬渓」回顧 歴史愛好家が中津で展覧会 大正期の鳥瞰図、古写真にはSLも [大分県]

吉田初三郎が描いた観光用鳥瞰図「耶馬渓案内」。全国で多くの鳥瞰図を描いた吉田の初期の作品
吉田初三郎が描いた観光用鳥瞰図「耶馬渓案内」。全国で多くの鳥瞰図を描いた吉田の初期の作品
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明治期の青の洞門。軍用道路として拡張後と思われ、人力車の姿もある
明治期の青の洞門。軍用道路として拡張後と思われ、人力車の姿もある
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玖珠町にかつてあった玖珠郡役所の庭園
玖珠町にかつてあった玖珠郡役所の庭園
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1913年の旧耶馬渓鉄道開業当時の列車。けん引するのはドイツ製蒸気機関車C-2号
1913年の旧耶馬渓鉄道開業当時の列車。けん引するのはドイツ製蒸気機関車C-2号
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 中津市の耶馬渓が昨年、日本遺産に認定されたのを記念し、同市の歴史愛好家団体が、展覧会「遠き日の耶馬渓」(西日本新聞社後援)を「ゆめタウン中津」(同市蛭子町3丁目)で開いている。大正初期の耶馬渓鳥瞰(ちょうかん)図をはじめ、耶馬渓鉄道を走ったSL、明治期の青の洞門など普段あまり見られない貴重な古写真など約70点を展示している。22日まで。入場無料。

 耶馬渓は奇岩、断崖、滝など溶岩台地が川や風雨に浸食されてできた大渓谷で、日本遺産には中津市と玖珠町が共同申請し認められた。江戸後期の文人、頼山陽(1780~1832)は絶景を激賞し「耶馬渓」と名付けたが、一般に広く知られるようになったのは、大正から戦前にかけて活躍した絵師吉田初三郎(1884~1955)が描いた鳥瞰図によるという。

 展覧会では、最も古い耶馬渓の鳥瞰図「耶馬渓案内」(1915年、吉田筆)を展示。耶馬渓鉄道(耶鉄)が中津から柿坂(同市耶馬渓町)までしか通じておらず、守実(同市山国町)までは計画路線になっているなど当時を正確に描写している。福岡県の宇島鉄道が耶鉄に対抗して終点の現福岡県上毛町原井に「耶馬渓駅」を設置している状況も見て取れる。

 25年の「耶馬渓地図案内記」には守実まで開通した状況の他、特産品の広告も並び観光客が増えていった当時の様子がうかがえる。

 耶鉄で活躍したドイツ製蒸気機関車C-2号の写真や、16年当時の時刻表、旧陸軍による拡張工事前の観光名所「青の洞門」、旧玖珠郡役所の庭園などの貴重な写真も並ぶ。

 主催する私立・中津耶馬渓史料室は「当時の写真と今を比べることで、耶馬渓の歴史や文化をより深く知る機会にしてほしい」と話している。

=2018/07/12付 西日本新聞朝刊=

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