ミカンも日焼け止め 検証5年、成果冊子に 県果樹グループ [大分県]

炭酸カルシウム微粉末を散布したミカンの状況を確認する県農林水産研究指導センターの研究員
炭酸カルシウム微粉末を散布したミカンの状況を確認する県農林水産研究指導センターの研究員
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 猛暑などの影響によるミカンの日焼けの軽減策に、県農林水産研究指導センター果樹グループ(国東市国東町)が取り組んでいる。日焼けで黒ずんで硬くなれば商品価値が低下し、農家収入に直結するためだ。4年前から、遮光ネットや炭酸カルシウム微粉末散布などの効果を検証しており、今後、5年間の成果を冊子にまとめる予定だ。

 同グループによると、ミカンの表面温度が40度以上の状態が2時間以上続くと、日焼けする可能性が高まる。県内で生産されている十数種のミカンのうち、特に日焼けの被害が出ているのが、9月中旬ごろから収穫する県のオリジナル品種の「おおいた早(わ)生(せ)」。日照時間が長く、日差しの強い時期が成熟期と重なるという。

 県内では主に杵築市や津久見市などで栽培され、2016年産はJA全農おおいたの出荷実績で約243トン。温暖化などの影響で十数年前から日焼けが目立ち始めているという。JAおおいた杵築柑橘選果場(杵築市)によると、被害がひどい年には、1本の木で2~3割も出荷できなかった年があったという。

 同グループは2014年から軽減対策に着手。これまで(1)日の当たる場所にできた実を中心に間引く(2)遮光ネットやスプリンクラーの設置(3)貝殻などの主成分の炭酸カルシウム微粉末の散布で効果を検証。それぞれ効果は見込めるものの、高コストや収穫量の減少、病気を誘因しやすい-など一長一短があることが分かった。今年も炭酸カルシウム微粉末の濃度や散布時期などの検証を10月ごろまで続ける。

 こうした検証結果を踏まえ、各方法のポイントを示した冊子をつくる計画。同グループ研究員の下岡萌さんは「生産場所の土壌や気象条件などによって日焼けの程度はまちまち。それぞれにあった適切な方法を生産農家と考え、日焼けを抑制していきたい」と話している。

=2018/08/09付 西日本新聞朝刊=

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