異彩の芸術集団、解散半世紀 「九州派」の作品を展示 由布市・空想の森美術館 [大分県]

寄託された「九州派」元メンバーの作品を手にする高見乾司さん
寄託された「九州派」元メンバーの作品を手にする高見乾司さん
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 由布市湯布院町の私立美術館「空想の森美術館」を監修する高見乾司さん(70)=宮崎県西都市=が、1950~60年代に福岡県を拠点に活動した前衛芸術集団「九州派」関係者から、絵画など約130点の寄託を受けた。九州派解散後、各作家が個人で活動を続ける中で手掛けた作品が主。一部を今月末まで同館で展示している。

 九州派は57年に結成。東京中心のアカデミックな美術表現に対抗して「反中央」「反芸術」を掲げ、アスファルトを多用した作品などで異彩を放った。約10年で解散した後、各作家はそれぞれ制作を続けた。

 作品は九州派の元メンバーで、福岡市西区で活動していた小幡英資さん(30~2014)と大黒愛子さん(1937~95)の娘、原あやさんが寄託。小幡さんの没後、原さんは2人が保管していた作品の引き取り手を探していた。一部は福岡県美術館、福岡市美術館に収蔵され、残った作品を、2人と交流のあった高見さんが預かったという。

 寄託された約130点には小幡さんや大黒さんのほか、九州派を立ち上げた桜井孝身さん(28~2016)、中心メンバーだったオチオサムさん(36~2015)や菊畑茂久馬さん(83)、田部光子さん(85)らの作品もある。桜井さんの代表作「パラダイス」シリーズの油絵や、小幡さんが福岡沖地震後に描いた連作「玄海の濤音(とういん)」などが並ぶ。

 九州派に詳しい福岡市美術館の山口洋三学芸員は「処分される可能性のあった作品が失われなかったことに意義がある。作品を通し、解散後の作家たちの軌跡が分かる」。高見さんは「九州派は、閃光(せんこう)のように一時代を駆け抜けた。独創的な作品の数々に、当時の名残を感じる」と話している。

 入館料500円(中学生以下無料)。火曜休館。

=2018/09/12付 西日本新聞朝刊=

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