耶馬渓、復旧工事進む 山崩れ半年 観光業者は紅葉に期待 [大分県]

深さ約20メートルの井戸の掘削など復旧工事が行われている山崩れ現場=10日、中津市耶馬渓町金吉
深さ約20メートルの井戸の掘削など復旧工事が行われている山崩れ現場=10日、中津市耶馬渓町金吉
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ハザードマップ作成に向け住民からの聞き取り調査があった中津市本耶馬渓町東谷上地区集会所=4日
ハザードマップ作成に向け住民からの聞き取り調査があった中津市本耶馬渓町東谷上地区集会所=4日
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 住民6人が犠牲となった中津市耶馬渓町金吉の大規模山崩れから11日で半年を迎える。崩落現場では県による本格的な復旧工事が進み、市は住民参加型ハザードマップの本年度中の完成を急ぐ。山崩れがゴールデンウイーク直前だったこともあり、風評被害による観光客減に直面した地元業者は、今月下旬からの紅葉シーズンに期待を寄せる。

 県によると、9月から始まった本格工事は、地下水を抜く深さ約20メートルの井戸2本の掘削や、表面に残る不安定な土塊(どかい)と20~30メートル下の固い岩盤とを数百本の鉄製ワイヤで結んで崩落を防ぐ固定化工事などを行っている。応急工事を含めた総事業費は20億円。県は「来年度のなるべく早い時期の完成を目指す」としている。

 耶馬渓を含む中津市には県指定の土砂災害警戒区域が1012カ所(うち特別警戒区域は930カ所)ある。今回の山崩れ現場は2017年3月に、市の特別警戒区域に指定されていたが、土砂災害防止法に基づく「ハザードマップ」を作成していなかった反省から、市は本年度中に該当地区すべての作成を目指している。山間部が多い耶馬渓町、本耶馬渓町、山国町、三光村を中心に、年末までに住民からの聞き取り調査を終える方針だ。

 同市本耶馬渓町東谷上地区(43世帯)では4日、マップ作成に向けて、住民への聞き取り調査があり、15人が参加。集落ごとに分かれ、A1判の地図に「水が道にあふれやすい」「石が落ちてくる」などの情報を書き込んだ。同地区の自治委員野中正文さん(72)は「高齢化で70代が戦力。普通免許を返上した高齢者も多く、緊急時の避難は容易ではない」。前自治委員の野中文則さん(70)は「1人暮らし世帯には誘導担当を決めるなど工夫したい」と前を向いた。

 山崩れ後、売り上げが落ち込んだ地元観光業者は、市による福岡市などでの必死のPR作戦にもかかわらず「客の戻りが弱い」と気をもむ。観光名所「一目八景」で有名な深耶馬渓地区で飲食業を営む高榎利彦さん(63)は「今年は寒暖の差が大きく、例年にない紅葉になるのでは」と期待。観光客復活へ今月下旬からの紅葉シーズンに期待を寄せている。

=2018/10/11付 西日本新聞朝刊=

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