「千年あかり」点灯ボランティアに記者が参加 温かな光を人の手で次々と [大分県]

花月川河川敷で火を付けたろうそくを竹灯籠に入れる記者
花月川河川敷で火を付けたろうそくを竹灯籠に入れる記者
写真を見る
花月川河川敷で点灯ボランティアに参加する人たち
花月川河川敷で点灯ボランティアに参加する人たち
写真を見る
竹灯籠の光で照らされる花月川河川敷
竹灯籠の光で照らされる花月川河川敷
写真を見る

 江戸時代の風情が残る、日田市の豆田地区一帯が温かで優しい光に包まれた「第14回千年あかり」(9~11日)。町並みや花月川河川敷を照らす約3万本の竹灯籠やオブジェを作り、運営するのは地元有志が中心のボランティアだ。イベント当日は灯籠の点灯ボランティアを募集していると聞き、千年あかり初体験の私も参加した。 (笠原和香子)

 11日、河川敷に集まった人たちにろうそく、点火用の多目的ライター、火ばさみが配られて、午後4時半ごろ着火作業が始まった。自分でライターを持参する人の姿も。灯籠内のアルミ容器に入ったろうそくは、イベント時間帯の約4時間が経過すると自然に火が消えるようになっている。

 担当場所が決まっている訳ではなく、一つ一つ中をのぞき込んで、火の付いていない灯籠を探す。「あった!」。作業開始だ。(1)灯籠の中から前日分のろうそくの容器を取り出し(2)ライターで新しいろうそくに火を付け(3)火ばさみで挟んで中にそっと入れる。簡単な作業だが、花月川の河川敷だけでも約9500本の灯籠があるため、多くの人手が必要だ。スタッフがマイクでボランティア参加を呼び掛け、市民だけでなく観光客も次々と点灯作業に加わっていた。

   □    □

 「すべて手作業で火をともすので大変。観光で来たけれど、見るだけでなく火付けもできて、いい思い出になりました」と北九州市から訪れた男性(37)と女性(34)は笑顔で話す。日田市の女性(48)は、昨年初めて点灯作業に参加した娘(9)のたっての希望で、今年も河川敷を訪れたといい、一緒に点火して回った。同市の森嶋和美さん(39)は、娘(8)らとともに友人親子を誘って参加。「子どもたちが日田を体感できるいい機会と思って、毎年来ています」と張り切っていた。約1時間後、作業が終わった頃には太陽が沈み、灯籠の光が存在感を強め始めた。

 点灯ボランティアの募集を始めたのは10年ほど前。千年あかり実行委員会の財津忠幸委員長は「イベントの知名度が上がっているからか、参加者は年々増えていると思う。とてもありがたい」と話す。

 点灯ボランティアをして、一つずつの灯籠の形や和紙の貼られ方が微妙に異なると気づいた。「千年あかり」が、人の手で作られていることを再認識させられた。灯籠が照らす町からは、ぬくもりを感じた。ろうそくの温かな光のためだと思ったが、それだけではないだろう。灯籠一つ一つの作り手の存在が、ぬくもりをより強く感じさせてくれたのかもしれない。

   □    □

 温泉、祭り、海の幸、四季に彩られる山々…。大分は来訪者をうならせる魅力にあふれている。江戸時代は、主要8藩に加えて天領もあり、各地で多様な文化が育まれた。自然と歴史に恵まれた県内の自然や行事に記者が飛び込み、目と耳を研ぎ澄ませてリポートします。

=2018/11/29付 西日本新聞朝刊=

西日本新聞のイチオシ [PR]

西日本新聞のイチオシ [PR]