耕作放棄地、ナシ園に活用 日田梨農家「復興プロジェクト」 災害に強い生産体制整備へ [大分県]

日田梨の手入れをする梶原智俊さん。「災害に負けたくない」と力を込める
日田梨の手入れをする梶原智俊さん。「災害に負けたくない」と力を込める
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 昨年の九州豪雨を受け、海外でも需要が高まる「日田梨」の農家が、平地の耕作放棄地を新たな生産地として活用したり、規模拡大に生かしたりする「創造的復興プロジェクト」を進めている。5日で豪雨被災から1年5カ月。農家は「災害に負けないよう日田梨を守り、発展させたい」と結束を強める。

 JAおおいた日田梨部会(83戸)と県西部振興局によると、九州豪雨で日田市では小野、夜明両地区を中心に土砂の崩落でナシ園が埋まるなど大きな被害を受けた面積は約2ヘクタールに上る。「災害級」ともいわれた今夏の高温では、出荷量が例年に比べ3割近く減った品種があり、台風の影響で落果が相次ぐ年もある。さらに日田梨部会の農家は20年前に比べて半減し、高齢化や後継者不足の課題にも直面している。

 こうした課題を踏まえ、生産者は昨年の豪雨被害を機に行政などと連携したプロジェクトを立ち上げ、議論を重ねてきた。

 プロジェクトの中心は、耕作放棄地などを新たなナシ園の移転先として活用する取り組み。日田市内のナシ園は丘陵地に多く、農業用機械が入りにくい。九州豪雨のように災害で流されたり、埋まったりする危険性も高い。災害に強く安定した生産体制を整えるため、傾斜地から平地に移転させる狙いだ。現在、候補地の選定を進めており、さらに作業効率もよく収穫量も多くなる栽培方法を浸透させるため、育苗施設の整備にも取り組んでいる。

 プロジェクトリーダーの梶原智俊さん(59)は「ナシ農家の中にはまだ自宅に戻れていない人もいる。災害に負けず、若い人に仕事をつないでいくために、10年、20年先を見据えた取り組みをしていきたい」と奮い立つ。

=2018/12/06付 西日本新聞朝刊=

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