おすそわけ野菜、地域に活気 日田・中津江「絆くらぶ」活動7年目 高齢者が栽培、食事会で交流 [大分県]

会話をしながら「おすそわけ野菜」を使った料理を楽しむ参加者
会話をしながら「おすそわけ野菜」を使った料理を楽しむ参加者
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清田さんが発行している絆新聞。手書きの絵と文章が温かい
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清田朱さん
清田朱さん
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 人口減少と高齢化が進む日田市中津江村で、2013年に発足した市民グループ「NPOつえ絆くらぶ」がこつこつと活動を続けている。高齢者が一人ではできないちょっとした困り事を手伝う「チョイてご」や、見守りを兼ねた野菜の集荷などを通して、集落のささやかな幸せを守り続けている。

 つえ絆くらぶが主に取り組んでいるのが、高齢世帯の自家栽培野菜を集めて買い取る活動だ。この活動に携わる人たちが1月29日、同市大山町の「おすそわけ野菜のレストラン松原」に集い交流会を開いた。栽培する人や集荷担当者、料理に使う飲食店関係者ら計約30人が一緒に食事をして笑顔の時間を過ごした。

 活動は13年から同市中津江、上津江両地区で続く。集めた野菜は「おすそわけ野菜」と呼び、レストラン松原で食材として使われ直接販売もされる。地元野菜の料理は優しい味わいが人気で、出荷するお年寄りにも小遣い程度の収入となり「生きがいだ」と好評だ。現在は50軒ほどが野菜を出している。

 交流会ではレストラン松原が天ぷらや煮物、酢の物など集まった野菜をふんだんに使った定食を出した。出荷する人たちは、自分たちの育てた野菜がおいしい料理に生まれ変わったことに感激。うれしそうに味わった。

 大根や白菜を作る上津江町の相垣ツユ子さん(84)は「みんなが集まる、この日が待ち遠しかった」と笑顔。レストラン松原の河津勇成代表(46)は「おすそわけ野菜が日田や津江地域の価値を高めている」と話した。

 グループの松野忠会長(46)は「地域のみんなが長く笑顔で過ごせるように協力したい」と活動継続を誓う。

■手書き新聞、住民の励みに

 つえ絆くらぶ事務担当の清田朱(あき)さん(39)=日田市下井手町=は、活動を広く知ってもらおうと手書きの「絆新聞」を発行している。「おすそわけ野菜」の活動に取り組む人の紹介や、「チョイてご」の活動や地域イベントの告知などを掲載。1月に最新の第4号を出した。

 旧中津江村役場で働いたことがある清田さんは、愛着ある地域の力になりたいと昨年5月にグループの事務担当になり、新聞の発行を始めた。

 新聞はA3サイズの1枚もの。発行は2カ月に1回で中津江、上津江両地区の回覧板で回す。取材から執筆まで1人で担っている。毎号、おすそわけ野菜を作る人や集める人の記事を載せる。「(野菜は)温かな気持ちと一緒に届けられている」「大事に育てられた野菜もステキに笑っている」と、思い入れたっぷりの優しい文章を手書きで記す。笑顔の住民の写真も目を引く。野菜を使うレストランの割引情報もある。

 清田さんは「住民の励みになればうれしい」と話す。

=2019/02/05付 西日本新聞朝刊=

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