手植え「千本桜」20年目の満開 佐伯市・岩屋地区 住民がこつこつ世話 「花見客訪れる自慢の山に」 [大分県]

満開を迎えたソメイヨシノが山腹を彩る「岩屋の千本桜」=29日、大分県佐伯市本匠岩屋(撮影・吉良けんこう)
満開を迎えたソメイヨシノが山腹を彩る「岩屋の千本桜」=29日、大分県佐伯市本匠岩屋(撮影・吉良けんこう)
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淡いピンクに包まれる山あいの集落=29日、大分県佐伯市本匠岩屋(撮影・吉良けんこう)
淡いピンクに包まれる山あいの集落=29日、大分県佐伯市本匠岩屋(撮影・吉良けんこう)
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高野隆正さん
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 大分県佐伯市本匠の岩屋地区にある「岩屋の千本桜」が、植樹から20年目の春を迎えた。約5ヘクタールのスギ林跡に植わっているのはソメイヨシノなど千数百本。住民たちが丹精込めた桜山はほぼ満開となった。4月初旬にかけて山腹一面は鮮やかな桜色に染まる。

 岩屋地区は戸数11の林業を生業としてきた山あいの集落だ。1960~70年代、国策でスギやヒノキの植林が積極的に行われた。ところが、集落の背後に迫る山のスギ林が成長すると、その影が集落に落ち、日当たりが悪くなった。冬場の日照が1時間に満たない家もあり大きな課題だったという。

 99年、伐期を迎えた地区の共有林を伐採した後、スギ林に戻すのではなく桜を植えることにした。ソメイヨシノとヤエザクラの苗を計2500本、住民総出で植樹した。後にヒガンザクラも加え、以来、下草刈りや除伐、獣害防止柵設置など維持管理に努めた。

 地元の「みどりのふるさとをつくる会」の高野隆正会長(65)は「昨年はたくさんの花見客がありました。岩屋を多くの人が訪れてくれますようにという夢が現実になった。この桜山は私たちの自慢」と語る。

 市本匠振興局が節目の年に初めて桜守ボランティアを募ったところ、この景観を守ろうと2月に100人以上が駆け付けた。小さな集落がこつこつ育んだ夢は、その輪を広げ、新たな芽吹きを迎えている。佐伯市本匠振興局=0972(56)5111。

=2019/03/30付 西日本新聞夕刊=

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