耶馬渓山崩れ1年、復旧復興祈り深く 関係者ら100人、犠牲者追悼 [大分県]

犠牲者に黙とうをささげる県防災局の職員ら
犠牲者に黙とうをささげる県防災局の職員ら
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 住民6人が犠牲となった中津市耶馬渓町金吉の大規模土砂崩れから1年となった11日、現場では住民らによる慰霊祭が営まれ、関係者約100人が6人の死を悼んで手を合わせた。かけがえのない人々を失った地域の傷は深く、現場の復旧復興も緒に就いたばかり。穏やかな暮らしが戻りますように-。地域は深い祈りに包まれた。

 山崩れは昨年4月11日未明に発生。集落の裏山が幅約160メートル、斜面の長さ約220メートルにわたって崩れた。住宅4棟が巻き込まれ、3棟で男女6人が死亡。今も周辺住民など5世帯13人に避難勧告が出ている。

 慰霊祭は、山肌がえぐられたままの斜面の前に遺影を並べて行われた。駆け付けた日田市の佐藤喜代美さんは、犠牲者の江渕優さん=当時(21)=の笑顔が忘れられないという。佐藤さんの孫真美さん(22)と江渕さんが友人で、山崩れの4日前に家に遊びに来たという。「優ちゃんは『今度、結婚するの』って本当にうれしそうに話してくれた。かわいそうでならない」と目頭を押さえた。

 奥塚正典市長ら市幹部も現場を訪れ、黙とうをささげるとともに「災害に強い町づくりを進める」と決意を述べた。市は4月11日を「中津市の防災を考える日」と定め、午後には、大分大減災・復興デザイン教育研究センターの鶴成悦久准教授を講師に招き、市幹部職員らを対象に市役所で研修会を実施。災害への対応法などを学んだ。

 県庁では11日午前9時、職員が黙とうした。当時、救助活動を支援した県防災局の職員約40人も現場の方向を向いて1分間黙とう。福岡弘毅県防災危機管理監は「今も避難生活を続けている人がおり、心苦しい。このような災害が起きないよう調査、復旧に全力を尽くす」と話した。

 広瀬勝貞知事は「犠牲になられた方々へ哀悼の意を表します。中津市と連携し、被災者の生活再建と被災地の復旧・復興に全力で取り組んでいく」とのコメントを出した。

=2019/04/12付 西日本新聞朝刊=

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