【意見】ワークスタイル改革の一歩に 佐藤裁也氏

九州管区行政評価局長 佐藤 裁也氏
九州管区行政評価局長 佐藤 裁也氏
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◆フリーアドレス

 総務省九州管区行政評価局(福岡市)では、ワークスタイル改革の一環として、1日までに、行政評価調査(各府省の政策・業務の実施状況調査)を担当する評価監視部を中心に、40人強が対象のフリーアドレスオフィス化を実施した。日によって、あるいはプロジェクトによって座る席が変わる職場となったのだ。個人専用机と固定電話を撤廃し、フリーアドレス専用デスクとPHSの導入を軸とする執務環境を整えた。

 管理職は上座にという伝統的な考え方がある。同部では長年にわたり、管理職である評価監視官(課長)を上席にし、職員を職位に応じ配置してきた。管理職と職員との間の意思疎通を図る上での「距離感」は否めなかった。現状、若手職員が増え、近年の新規採用者の半数は女性である。

 当管区は昨年10月から、評価監視業務と行政相談業務で、福岡市の局を基軸に、本省間、九州6県の事務所・センター間でWEB会議での受発信や出張による職員の行き来を活発化させてきた。11月、私は井上友喜評価監視部次長をリーダーに、職位の異なる50代を中核とした5人のプロジェクトチーム「チーム次長」を編成した。メンバーには再任用のベテランもいる。私も含め、入庁時にスマートフォンどころかポータブルなパソコンもなかった世代だ。

 「チーム次長」が、職員一人一人に入念に意見を聴き、アンケートも行った。多くの職員の意見は、管理職を職員と一体として配席することで職場内のコミュニケーションや情報共有がより容易になるといった、自分たちの職場の将来を見すえた前向きなものであった。異論も含め、丁寧に相談を重ねた。若手がいきいきと活躍できる職場づくりは皆の胸の中にあった。このことが、今回のオフィス改革推進の礎となった。

 管理職を含めたフリーアドレスオフィス化は、国の組織では先駆的であり、九州の国の組織(地方支分部局)では初の試みのようだ。固定席がないことで、調査テーマと業務量に応じた機動的な要員配置ができ、臨時のチーム編成にも柔軟に対応できる。紙資料の収納場所を減らし、ペーパーレス化を進めた。

 政府・総務省は、テレワークの活用はじめワークスタイル改革を推進している。福岡市や北九州市、福岡県をはじめ、九州全体で、IoT(モノのインターネット)の振興とワークスタイル改革が芽生えるなか、相乗効果もねらえる。これから課題や問題点が見えてくるだろう。改良改善を不断に行っていきたい。

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 佐藤 裁也(さとう・たつや)九州管区行政評価局長 千葉市出身。総務省情報通信政策局情報通信政策課長などを歴任、内閣官房内閣参事官時代は海外経済協力会議などを担当した。G7情報通信大臣会合時の四国総合通信局長を経て、2017年より現職。

=2018/03/09付 西日本新聞朝刊=

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