決裁文書改ざんの財務省報告詳報

 森友学園への国有地売却を巡る決裁文書書き換え問題に関し、財務省が国会に報告した調査結果のポイント詳細は次の通り。


 【貸付決議書】

 国有地貸し付けについて、森友学園からの「要請」を「申し出」と複数箇所で書き換え。

 「特例的な内容となることから」との文言を複数箇所で削除。

 学園が小学校開校に向けて「取り組むことに問題はなく」との記述を「取り組むこととなり」と書き換え。

 国有地の地盤について「地質調査会社に、ボーリング調査結果を基に意見を求めたところ、特別に軟弱であるとは思えないとした上で、通常と比較して軟弱かどうかは回答が難しいとの見解であった」との記述を、「ボーリング調査結果について専門家に確認するとともに、不動産鑑定士に意見を聴取したところ、新たな価格形成要因であり賃料に影響するとの見解があり、価格調査により鑑定評価を見直すこととした」と書き換え。

 「本件の特殊性を踏まえて、当局(近畿財務局)と大阪航空局とで協議を行い、事務の担当を決定するものとする」との記述を削除。

 「大阪航空局から貸し付けを検討してもらいたいとの意向が出され」などの記述を含む3ページ分の詳細な経緯を、半ページ分の簡略化した経緯に差し替え。


 【売払決議書】

 「特例的な内容となる」などの文言を含む「貸付契約までの経緯」を削除。

 「本件売り払いに至る経緯について」の項目で、「学園の提案に応じて鑑定評価をし、価格提示を行うこととしたものである」などの記述を削除。


 【特例承認の決裁文書】

 「H25・8・13 鴻池祥肇議員秘書から近畿局へ照会(受電)。籠池泰典理事長が本件土地について購入するまでの間、貸し付けを受けることを希望しており、大阪航空局に直接相談したいとの要請を受ける」との記述を削除。

 「H26・4・28 打ち合わせの際、本年4月25日、安倍昭恵総理夫人を現地に案内し、夫人からは『いい土地ですから、前に進めてください』とのお言葉をいただいた、との発言あり。(森友学園籠池理事長と夫人が現地の前で並んで写っている写真を提示)」との記述を削除。

 「H27・1・8 産経新聞社のインターネット記事に森友学園が小学校運営に乗り出している旨の記事が掲載。記事の中で、安倍首相夫人が森友学園に訪問した際に、学園の教育方針に感涙した旨が記載」との記述を削除。

 「H27・1・15 森友学園が国土交通省北川イッセイ副大臣秘書官に『近畿財務局から示された概算貸付料が高額であり、副大臣に面会したい』と要請」との記述を削除。

 「H27・1・29 平沼赳夫衆議院議員秘書から財務省に『近畿財務局から森友学園に示された概算貸付料が高額であり、何とかならないか』と相談。財務省は、法律に基づき適正な時価を算出する必要があるため、価格についてはどうにもならないこと、本件については学校の設立趣旨を理解し、これまでできるだけの支援をしていることを説明」とする記述を削除。

 「H27・2・16 鳩山邦夫衆議院議員秘書から国会連絡室に『森友学園が近畿財務局から国有地を借り受ける件について相談したい』との連絡」、「H27・2・17 鳩山邦夫衆議院議員秘書が近畿財務局に来局し『近畿財務局から森友学園に示された概算貸付料が高額であり、何とかならないか』と相談」との2カ所の記述を削除。

 籠池氏を「日本会議大阪をはじめとする諸団体に関与」と紹介した部分と、「日本会議と連携する組織として、超党派による日本会議国会議員懇談会が平成9年5月に設立され、役員には特別顧問として麻生太郎財務大臣、会長に平沼赳夫議員、副会長に安倍晋三総理らが就任」とする部分を削除。

 添付されていた籠池氏の名刺の写しを削除。


 【承諾書の提出について】

 「平成25年8月、鴻池祥肇議員(参・自・兵庫)事務所(秘書)から陳情があったもの」との記述を削除。


 【予定価格の決定について(年額貸付料(定期借地))】

 「処分等予定相手方に対して4月28日付で見積もり合わせを実施する旨(口頭)通知を行い、予定価格以上の価格の見積書の提出により年額貸付料を決定する」との記述を追加。


 【特別会計所属普通財産の処理方針の決定について】

 「貸付通達に特段定めのない特例的な処理となることから、理財局長へ承認申請を行っており、契約日までに承認は得られる見込み」を、「貸付通達に基づき、理財局長の承認を得て別途処理を行うものである」に書き換え。

 森友学園が軟弱地盤だと主張し、工事費の負担を国に要請したことについて「国は杭工事(基礎工事)の費用を負担しないが、貸付料および将来の売却価格を評価する際には地盤の状況を考慮することとした」などの記述を含む項目を全て削除。

 大阪府による小学校の設置認可について、「認可適当の答申は得ていることから、森友学園が小学校開校に向けて取り組むことに問題はなく」との記述を、「森友学園が小学校開校に向けて取り組むこととなり」に書き換え。


 【有益費支払いに関する三者合意書の締結について】

 貸付期間の終了時に、大阪航空局から森友学園に償還される地下の廃棄物撤去などの費用について「将来に事務手続きを残さないよう、平成28年度当初予算により予算措置を完了している」との記述を削除。

 国有地に埋設された廃棄物について「除去工事は地下3メートルまでの範囲で行われ、3メートル以深は除去されずに今回の作業で噴出した。細かいガラス片等が地表に残っており、それらを撤去すべきかの検討など、学園と国との間で継続して協議すべき問題が残っている」などの記述を削除。


 【国有財産の鑑定評価委託業務について】

 地下に埋まった廃棄物撤去処理の経緯などを記した「決裁参考」を全て削除。


 【予定価格の決定(売払価格)および相手方への価格通知について】

 「学園の代理人弁護士から、本来は国に対して損害賠償請求を行うべきものと考えているが、現実的な問題解決策として早期の土地買い受けによる処理案が提案された」「当局と大阪航空局で対応を検討した結果、学園の提案に応じなかった場合、損害賠償に発展すると共に小学校建設の中止による社会問題を惹起する可能性もあるため、売り払いによる問題解決を目指すこととしたものである」などの部分を大幅に削除。

 「通常の売り払いではなく、口頭により相手方に価格を通知するものとする」などとした「価格提示について」の項目を全て削除。


 【特別会計所属普通財産の処理方針の決定について】

 「相手方代理人弁護士に提示して交渉を重ねた結果」などの部分を削除。

 「経緯」の中で「H28・6・6 森友学園理事長、代理人弁護士から金額について了解するため買い受けたいとする旨を確認。即納での購入は難しいとして10年間の延納での購入要請が結論となる。6月20日を契約予定日として調整することで合意」など複数の項目を削除。

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