宮崎市議会「見えない化」 副議長立候補制取りやめ 15年開始、事前調整で形骸化

 宮崎市議会(定数40)は8日、2015年に始めた副議長選の立候補制を取りやめた。水面下の調整で決まりがちな正副議長選の過程を透明化するために導入したが、昨年は正副議長ともに立候補しなかった議員が選ばれるなど形骸化。8日の臨時会では以前のように、複数の会派が事前に決めた議員が副議長に選出された。

 宮崎市議会は13年、正副議長を選出するときは「経過を明らかにしなければならない」と規定した議会基本条例を制定。15年から正副議長になりたい議員は立候補し、全議員の前で「公約」を表明して、投票に臨んでいた。

 一ノ瀬良尚議長(72)によると、臨時会前の会派代表者会議で「事前に会派間で調整しており、立候補制は形骸化している。パフォーマンスだ」と意見が出て、副議長の立候補を募ることに合意できなかった。

 副議長選は立候補制に反対する会派などが推す日高貞次氏(70)が21票を集め、立候補制の維持を求める議員2人を破った。宮崎市議会では、議長は2年交代、副議長は1年交代が慣例になっている。

 正副議長は当選回数などを参考に、多数を形成する会派が議長候補を選び、本会議の投票で決める議会が多い。これに対し、選ぶ過程を住民に「見える化」する議会も増えている。全国市議会議長会によると、議長選の立候補者が所信を表明する機会などを設けているのは、16年12月時点で4割に当たる325市議会に上る。

 佐賀大の畑山敏夫教授(政治学)は「正副議長の立候補制は市民に政策をアピールする好機で、やめる理由が分からない。市議が向き合うべきは市民で、身内の論理を優先させるべきではない」と話した。

=2018/05/09付 西日本新聞朝刊=

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