石破氏の首相批判に波紋 「まるで野党」身内戸惑い

 自民党総裁選への出馬を表明している石破茂元幹事長の「対決姿勢」が揺れている。10日の出馬会見では「正直、公正」をスローガンに掲げ、森友、加計(かけ)学園問題を抱える安倍晋三首相の政治姿勢を批判したが、石破氏を支持する議員の間でも「まるで野党だ」と戸惑う声が少なくない。石破派以外で唯一のまとまった援軍となった竹下派参院側との温度差も浮き彫りになっている。融和姿勢に傾けば「日和見的だ」と受け取られかねず、石破氏は手探りの対応を迫られている。

 石破氏の出馬会見は波紋を広げた。

 会見場には「正直、公正、石破茂」と書いたポスターを貼り、森友、加計学園問題を念頭に「首相秘書官が誰に会ったか分からないということであってはいけない」「いろんな事象について、国民が『本当なのか』と思っているのは事実」などと語った。

 総裁選は首相が党内5派閥の支持を得て国会議員票で優位に立つ。石破氏は、首相に論争を仕掛けて空中戦に持ち込み、党員・党友による地方票で巻き返しを図る戦略だ。

 ただ首相の政治姿勢をやり玉に挙げたことについては石破派議員の支持者からも「やりすぎではないか」との声が漏れている。竹下派参院側を束ねる吉田博美参院幹事長は21日の記者会見で「相手への個人的なことでの攻撃は、非常に嫌悪感がある」と不快感を示し、石破氏に首相批判路線の修正を強く迫った。

 石破派議員は「首相批判は有権者に受けている」と自信を見せ、対決姿勢は緩めない考えを示す。ただ22日に都内であったイベントで、会場の参加者から「首相との違い」を問われた石破氏は「首相と比べてここが違うとか言うべきだとは思わない」と明確な回答を避けた。

 石破氏はこれまで憲法と地方創生をテーマに2回記者会見しているが、27日にも記者会見し、総合的な政策を発表する。石破氏周辺は「これからは政策論争になるよう仕向ける。石破氏への批判も下火になるはずだ」と話し、政策論争に活路を見いだす姿勢を強調した。

=2018/08/26付 西日本新聞朝刊=

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