調査変更「現場に反対論」 厚労省統計職員が証言

 厚生労働省の毎月勤労統計の調査方法が変更された経緯を巡り、厚労省の統計部門の職員が20日、西日本新聞の取材に応じ「統計作成に従事する現場の職員には変更への反対が少なくなかった」と証言した。調査対象となる事業所からの反発が予想されたためという。調査方法はこうした現場の問題意識を押し切る形で昨年1月に変更された。職員は「首相官邸の意向が意識された結果ではないか」と話す。

 同統計は2015年1月の調査対象入れ替えで14年の賃金上昇率が下振れし、月によってはプラスからマイナスに転落。当時の中江元哉首相秘書官や麻生太郎副総理兼財務相が問題提起し、政府内で変更に向けた検討が進んだ。

 その結果、従業員30~499人の事業所を2~3年ごとに総入れ替えしていた従来の方法を、過去の公表値を改定しないことを前提とした部分入れ替え方式に変更。この方法で調査した昨年1月以降の賃金上昇率が異常に押し上げられる要因の一つとなった。

 職員は匿名を条件に本紙取材に応じた。部分入れ替え方式では、事業所によっては総入れ替え方式よりも調査対象となる期間が長くなる可能性があったことを指摘。「ただでさえ重い(調査対象事業所の)事務負担がさらに増えそうだった。事業所からの強い反発が考えられ、職員に反対の声が少なくなかった」と明かした。

 部分入れ替え方式をだれが発案したか分かっていないが、職員は当時の職場の状況について「(12年12月に)第2次安倍政権が発足してから『官邸』という言葉がよく出るようになった。他の職員からは『官邸を喜ばせないといけない』といった話を耳にしたこともある」とも語った。

=2019/02/21付 西日本新聞朝刊=

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