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離島の開票割れた対応 台風で移送不能、福岡市は待たず 佐世保市現地で急きょ開票

 衆院選が投開票された22日は台風21号の接近で荒天となり、離島の投票箱を移送できない自治体が相次いだ。開票を23日に延期したケースが多い中、長崎県佐世保市は急きょ島に開票所を設けて即日対応。福岡市は二つの島の投票箱を待たずに開票を始めた。判断が分かれた格好だが、総務省は「公職選挙法の趣旨に沿い各選挙管理委員会が適切に開票した」と総括した。

 佐世保市(長崎4区)の黒島では22日、漁船が出港できず、投票箱が運べなくなった。県選管は公選法の「特別の事情があると認めるときに限り、開票区を設けることができる」との規定を踏まえ、島に臨時の開票所をつくることを決定。投票所として使った小学校体育館をそのまま開票所に指定し、投票作業に携わった8人が即日開票に当たった。

 島の有権者数は約450人。市選管は投票傾向が明らかにならないよう市全体の票と合わせて結果を発表。担当者は「開票作業を遅らせたくなかった」と話す。

 福岡市西区の玄界島、能古島(ともに福岡3区)も、悪天候で船が出なかった。市選管は両島の投票分と一部地域の投票箱を除いて22日夜に開票作業をスタート。23日早朝に両島の投票箱が届き、同日午前10時すぎに開票作業を終えた。

 一方、総務省によると佐賀県唐津市や宮崎県延岡市など6県の9市村は、開票を翌日に遅らせた。

 公選法は、開票作業は全ての投票箱が開票所に届いた日、またはその翌日に行うと定める。総務省選挙課は「規定の趣旨は、開票を始められる状況なのに、数日間も放置し続けるのを許さないということだ。荒天時にどう対応するのかは、地域の実情に合わせて選管ごとに適切に判断してほしい」としている。

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■地域ごとの判断あっていい

 松本正生・埼玉大教授(政治学)の話 福岡3区で投票箱が回収できないと分かっていながら開票を始めたのは公選法からはみ出しているが、背景にはいち早く結果を知りたい国民の要求に応えようとの思いがあり、悩んだ末に一歩踏み込んだのだろう。本来は長崎4区の離島のように公選法が認める「開票区」設置で乗り切るのがふさわしい対応だが、地域の事情に合った判断が加わってもいいと思う。そもそも災害発生の恐れがある中で一分一秒を争って開票する必要があるのか。そんな議論があってもいい。

=2017/10/24付 西日本新聞朝刊=

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