「宮崎で働く場を」 若者が論戦注視

宮崎市のビルに進出した「GMO NIKKO」のオフィス
宮崎市のビルに進出した「GMO NIKKO」のオフィス
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 社員が1人で複数のパソコンに向き合う。服装はスーツでなくカジュアル。宮崎市中心部のビルに居を構えるIT関連企業「GMO NIKKO」は、2013年7月に進出した。現在は43人が働く。

 IT大手「GMOインターネット」(東京)のグループ企業。NIKKOを皮切りにグループ5社が同じビルに入った。新規の雇用は計約80人。障害者を専門に雇う会社もある。

 NIKKOで働く吉林南津子さん(29)は宮崎県出身。県外の大学を出て地元に戻り、別の会社から中途入社した。「今の会社があったから地元に残れた」。仕事もやりがいを感じているという。

 同グループは宮崎事業を拡大する計画だが、人材確保が悩み。宮崎県の高校、大学卒業者は都市部での就職を望む傾向が強いとされる。「ネット事業はハードルが高いと見られ、人材確保は順調ではない。同じIT企業と一緒に就職セミナーを開くなど、魅力ある仕事が宮崎にあることを知ってもらう努力が必要」と、GMOインターネットの橋口誠取締役は語る。

 宮崎県は高校生の県内就職率(今年3月)が55・8%で全国ワースト2位。昨年と一昨年はワーストだった。15~24歳の県外流出が多く、県都・宮崎市でも人口が減っている。市の担当者は「宮崎市が県内市町村からの受け皿になり、人口減少を抑える『ダム機能』の役割を果たせなくなっている」とみる。

 その若い世代の多くが、今回の衆院選に注目している。宮崎工業高3年の中村彩里さん(18)は関東の鉄鋼会社から内定を得た。県内企業に入ることも考えたが、給与や福利厚生の面で大きな差があった。

 関東の電子設備会社に就職が決まった3年の内村雅也さん(17)は、地元に残るか悩んだが「技術者になるには一番いい会社」と決めた。2人とも「宮崎にもっといい会社があって、街もにぎやかなら残ったかも」と声をそろえた。

 「18歳選挙権」導入後、初めての衆院選。中村さんは「親には県内に残るよう言われて、すごく悩んだ。宮崎のような地方で、ちゃんと働けるようにしてくれる人を選びたい」。初めての1票を誰に託すか、候補者の訴えに耳を澄ませる。

=2017/10/12付 西日本新聞朝刊=

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