オスプレイ、安全の問題極めて重要 知事、判断時期遅らせる意向表明 [佐賀県]

最終判断時期を先送りする考えを示した山口祥義知事
最終判断時期を先送りする考えを示した山口祥義知事
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徳永組合長ら県有明海漁協幹部(右)に、オーストラリア沖でのオスプレイ墜落事故について説明する防衛省の斎藤審議官(左)ら
徳永組合長ら県有明海漁協幹部(右)に、オーストラリア沖でのオスプレイ墜落事故について説明する防衛省の斎藤審議官(左)ら
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 オーストラリア沖での米軍オスプレイ墜落事故は乗員3人が死亡する惨事となった。米軍機は昨年12月には沖縄県沖で大破事故を起こしたばかり。佐賀空港への陸上自衛隊オスプレイの配備計画について、山口祥義知事は8日、受け入れの最終判断時期の延期を表明し、防衛省は地元で説明に追われた。

 「安全の問題は極めて重要。それがはっきりする前に問題が進むというのは考えられない」。山口知事は8日の定例記者会見でこう明言し、配備計画を受け入れる最終判断時期を遅らせる意向を示した。

 山口知事は7月13日の定例会見では「全力でやりたい」と受け入れ容認を表明。秋のノリ漁期が始まる前に最終的に判断する方向としていたが、「見通せなくなった」とも述べた。

 多発する事故原因について米軍は「人為ミス」と機体の安全性を主張してきたが、配備予定地の地権者である漁業者は「原因はどうあれ、事故で油が海に流出すればノリや魚介類がダメになる」と懸念する。

 そうした声を踏まえ、山口知事は「有明海に(機体が)着水した場合も考えながら、緊急措置と補償措置がクローズアップされる」と述べ、被害最小化の対策も必要との考えを示した。

 山口知事は、有明海再生に向けた関連予算計上について国と調整していることも明らかにした。漁業者が「環境悪化の原因」と主張する国営諫早湾干拓事業(長崎県諫早市)の開門調査は「一番大きな話」として政府に求める意向を示した。

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 防衛省幹部は“おわび行脚” 県有明海漁協、佐賀市など訪問

 防衛省の斎藤雅一審議官と三貝哲九州防衛局長は8日、就任あいさつのため県有明海漁協と佐賀市、県を訪れたが、行く先々で「ご迷惑をおかけしました」と陳謝し、事実上の“おわび行脚”となった。

 沖縄県沖とオーストラリア沖で墜落したオスプレイは、佐賀空港に配備が計画される機体と同型機。このため、事故原因究明と再発防止策は、受け入れへの「大前提」(県幹部)。防衛省の両幹部も「安全性は最重要課題」と強調した。

 配備予定地の地権者で計画への反対が根強い漁協を訪れた、両幹部は「心配をかけ、申し訳なく思っている」と陳謝。「米側に原因究明を求め、情報が入り次第、適宜適切に提供する」と報告した。ただ、漁協幹部は記者団に「どうせ(米軍は)事故の本当の原因は表に出さないだろう」と懐疑的な見方を示した。

 受け入れに慎重な佐賀市でも、応対した畑瀬信芳総務部長に「速やかに事故原因を報告したい」とした。

 一方、県は山口知事が7月に受け入れの意向を表明済み。山口知事は最終的な判断時期を延期するとしたが、水面下では国との間で、有明海再生など地元対策の予算計上を調整中で関係を密にしている。

 斎藤審議官は池田英雄副知事に「公共事業への不信感を払拭(ふっしょく)するよう、真剣に検討する。関係省庁とも議論したい」と伝えた。

=2017/08/09付 西日本新聞朝刊=

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